アスペクト(座相)とは、天体(や、感受点)同士が作る座相のことです。英語では、Aspectとつづり、様相、角度、向き、相などという日本語に訳されますが、占星術ではアスペクト(座相)と呼びます。
2つ以上の天体が、どのような位置関係に置かれているのかを示すもので、角度で表わされます。学習ではその角度の種類と名称を覚える必要があります。
アスペクトがどのような役割をするかというと、例えば、牡羊座にいる水星は、積極的な話し方をする人だと判断したとしますが、この状態が良い意味に傾くかどうかは、他の天体から受けるアスペクト(座相)次第なのです。
この場合、水星が火星と合になっていれば、熱意のある話し方が吉とでたり、過熱して興奮しやすくトラブルになりがちなど吉凶混合になります。水星が土星とよい座相のときは、地道で建設的な交渉力がよい結果をもたらしやすいという具合になります。
このページではアスペクトについて次のような事をご紹介します。
★アスペクトの種類
★アスペクトの分類
★複合アスペクト
★アスペクトのオーブ
★解読の優先順位
★ノーアスペクト
アスペクト中心の本をこちらのページにまとめました: 占星術の勉強-アスペクト中心の本-
アスペクトの種類
アスペクトには概ね次のような種類があります。(この他にも存在します)
コンジャンクション:0度(とても強力な影響がある)
オポジション:180度(強い影響がある)
スクエア:90度(強い影響がある)
トリン:120度(スムーズで穏やかな影響がある)
セクスタイル:60度(スムーズな影響がある)
インコンジャンクト:150度(やや強い影響がある)
セミスクエア:45度(やや強い影響がある)
セミセクスタイル:30度(ややスムーズな影響がある)
アスペクトの分類
アスペクトには種類がいくつかあり、分類方法にも数種存在します。
よく説明されるのが、第一種と第二種そして特殊です。
第一種は、メジャーアスペクトとも呼び、0度、60度、90度、120度、180度の5つありますが、150度も第一種と考える占星術師も少なくありません。
第二種は、マイナーアスペクトと呼び、あまり重要視はされませんが、タイトなアスペクト(下のオーブを参照)の場合、リーディングの際考慮する占星術師もいます。また、未来予知でプログレスを利用する際は、マイナーアスペクトが活用されることが多くあります。第二種には30度、45度、135度、150度などがあります。
基本的に第一種を覚えれば十分だと思います。
その次に分類されるのは、ハードアスペクトとソフトアスペクトです。
これは、そのアスペクトの影響力がハードなのかソフトなのかで分類しています。
ハードアスペクトには、強度があり大きな影響力がある 0度、180度、90度があります。
ソフトアスペクトにはその影響が徐々に及んでソフトである、120度、60度があります。
特殊アスペクトにはパラレルがあります。最近の占星術の本にはほとんど説明がありません。
複合アスペクト
複合アスペクトとは3つ以上の天体がアスペクトを作りあっている状態をいいます。例えば次のようなものがあります。
グランドトライン:3つの天体が120度を作りあっている。
グランドクロス:2つのオポジションがクロスして形成される。4つの天体がかかわっています。
T字クロス:1つのオポジションに90度が加わってT字に形成される。3つの天体がかかわっています。
この他、ヨード、調停という特殊なアスペクトがあります。
ホロスコープの全体を解読する際に、これらのアスペクトがあるかないかまずチェックするためとても重要です。
アスペクトのオーブ
アスペクト(座相)にはオーブという考え方があります。例えば、ピッタリ120度というのは、高効果ですが、あと5度、10度で120度という場合もあるわけなのです。その場合に使われるのがオーブ(つまり許容範囲です)ですが、これに関しては明確なルールがあるわけではありません。
太陽や月を絡む座相に関して多くのオーブをとる場合や、接近なのか分離なのかによってもオーブを変えることもあります。メジャーアスペクトはオーブ8度でマイナーアスペクトはオーブ3度など、占う人によってさまざまです。これは、ある程度経験して、ちょうどよいところを自分なりに探していくしかなさそうです。
座相も奥の深い項目です。最初に述べたように、まずはさらりと全体を勉強し、再度この項目について深く勉強していくのがよいと思います。
さて、多くの西洋占星術ではこのアスペクトのオーブを重視しますが、インド占星術ではオーブという概念がありません。インド占星術ではサインとサインの位置でアスペクトを判断します。例えば、水星が乙女座1度で火星が魚座25度のとき、オーブを5度に決めていればこの2天体はアスペクトを生じていません。ところがサイン同士で見ると180度の関係にあります。
サイン同士でアスペクトを判断するのはインド占星術だけではなく、西洋占星術でも雑誌やテレビの占いコーナーではサイン同士でアスペクトを判断しています。
(尚、インド占星術では天体とその天体が作るアスペクトには西洋占星術と異なる考え方があります。)
今までこのオーブについて多くの本を読んできましたが、特に(未来予知で使用する)トランジットする天体が作るアスペクトについてはこのオーブについて様々な意見があります。
一つは、正確なアスペクトを作る時がもっとも影響力が大きい。もう一つは、あるサインに入った瞬間からその影響力がある。という意見です(これはサイン同士でアスペクトを判断するのとほぼ同じです)。
出生図に見られるアスペクトについて自論になりますが、それらはあくまでもそのような傾向があると判断するのがよいと思います。人間には意志がありますからそのような傾向は自らの意志の力でどのようにも変えていくことができるからです。出生図のアスペクトはその人がたどる運命や宿命を表しているわけではありません。そういった傾向があるだけです。
解読の優先順位
ホロスコープ上には様々なアスペクトが表示されます。
例えば、恋愛運を見るのに通常金星のアスペクトに着目しますが、いくつもアスペクトがあった場合、一体どこから手をつけたらよいのか迷います。基本的には一つ一つ丁寧に解釈していくことになりますが、優先順位としては、強力なアスペクトから読んでいくことになると思います。
強力なアスペクトというのは、影響力のあるアスペクトなのか、オーブはどのくらいか、そしてアスペクトを作る天体がベネフィックなのかマレフィックなのか、によります。
ノーアスペクト
アスペクトのオーブを5度などタイトにすると、アスペクトを1つも作らない天体がでてきます。
どのような意味があるかというと、一説ではその天体が意味することが発揮されにくかったり、不活発だと言われています。例えば金星がノーアスペクトだと恋愛経験が少ないなどです。
オーブをどのくらいとるかによって変わってくるので、どの状態をノーアスペクトというのかが問題です。
アスペクト中心の本をこちらのページにまとめました:
占星術の勉強-アスペクト中心の本-