占星術の勉強6:アスペクト

占星術で使う「アスペクト」とは、感受点(天体など)同士が作る角度のことです。英語ではAspectとつづり、日本語に訳すと様相、角度、向き、相などになりますが、占星術ではアスペクト(または、座相)と呼びます。

占星術の勉強をイメージしたイラスト

アスペクトは2つ以上の天体が、どのような位置関係に置かれているのかを示すものです。ホロスコープ上では次のイラストのように、2つの天体の間を線で結んで表します。例えば、太陽と月が90度の位置関係にある場合のアスペクトは次のように表します。

色や線の種類に決まりはありません。数学で90度というと以下のような表し方になりますが、占星術では感受点と感受点を線でつないで表現します。

2つの地点の角度は、0度から360度まで存在しますが、占星術では特定のアスペクトとして、0度、90度、180度などが定義されています。それぞれの角度には意味があり、良いか悪いかなどが判断されます。

このページではアスペクトについて次のような事をご紹介します。

アスペクトの分類

アスペクトの種類を紹介する前にアスペクトの分類について説明します。アスペクトは影響の度合いによっていくつかに分類されます。

第一種(メジャー)・第二種(マイナー)・特殊

よく使われる分類が、第一種(メジャーアスペクト)と第二種(マイナーアスペクト)そして特殊です。影響が大きいか、少ないかで分類されます。

第一種・メジャーアスペクト

メジャーアスペクトとも呼び、0度☌、60度⚹、90度□、120度△、180度☍の5つあります。

角度の横の記号や読み方については以下の「アスペクトの種類:一覧表」で紹介してます。

占星術ではメジャーアスペクトがメインで使われます。

第二種・マイナーアスペクト

マイナーアスペクトとも呼び、30度⚺、45度∠、135度⚼、150度⚻などがあります。

※150度⚻も第一種と考える占星術師もいます。

特殊

特殊はパラレル∥のみ。第一種も第二種も黄経上の角度ですが、パラレルは赤緯の位置関係で見ます。

※パラレルを第二種と考える占術家もいます。

ハードアスペクト・ソフトアスペクト

次に分類されるのは、ハードアスペクトソフトアスペクトです。これは、そのアスペクトの影響力がハード(困難)なのかソフト(調和)なのかで分類しています。日本ではハード、ソフトの他に凶座相、吉座相とも言われています。

上記で紹介した第一種、第二種のアスペクトをハードアスペクトとソフトアスペクトに分けると次のようになります。

ハードアスペクト・凶座相

ハードアスペクトには、45度∠、90度□、135度⚼、150度⚻、180度☍があります。

ソフトアスペクト・吉座相

ソフトアスペクトには、30度⚺、60度⚹、120度△があります。

吉凶混合

ハードアスペクトにもソフトアスペクトにも分類できないのが、0度☌やパラレル∥です。影響度はとても強いものですが、それが良いか悪いかは関連する天体によって左右されます。

アスペクトの種類:一覧表

アスペクトは上記以外にもあります。マイナーアスペクトよりもさらにマイナーなアスペクトを「その他」として以下に一覧にしました。

アスペクトの意味は一例です。

最も重要なメジャーアスペクトは名前と記号、ハードかソフトかを覚えたいです。

分類 角度 名前 記号 強弱 H・S 意味
メジャー 0 Conjunctionコンジャンクション ●●●● 混合 強調
メジャー 60 Sextileセクスタイル ●●○○ ソフト 好機
メジャー 90 Squareスクエア ●●●○ ハード 困難
メジャー 120 Trineトライン ●●●○ ソフト 幸運
メジャー 180 Oppositionオポジション ●●●● ハード 対立
マイナー 30 Semi-sextileセミセクスタイル ●●○○ ソフト 成長
マイナー 45 Semi-squareセミスクエア ●●○○ ハード 摩擦
マイナー 72 Quintileクインタイル Q ●●○○ ソフト
マイナー 135 Sesquiquadrateセスキクアドレート ●●○○ ハード 混乱
マイナー 144 Bi-quintileバイクインタイル Q2 ●●○○ ソフト 調和
マイナー 150 Quincunxクインカンクス ●●○○ ハード 再編成
その他 18 Vigintileヴィギンタイル ●○○○ ソフト
その他 24 Quindecileクインデサイル ●○○○ ソフト
その他 36 Decileデサイル ●○○○ ソフト
その他 108 Tredecileトレデサイル 3 ●○○○ ソフト

アスペクトのオーブ

アスペクト(座相)にはオーブという考え方があります。例えば、太陽と月の位置がピッタリ120度になるまで、あと1度ある場合。あと1度なら120度のアスペクトと考えましょう。というのがオーブ(許容範囲)です。

あと1度なら120度になるとして、あと1.2度だったら?3度はだめなのか?と、疑問が湧いてきます。実はオーブに関しては明確なルールはありません。

オーブの考え方

オーブの考え方として、いろいろ文献を読みましたが、次のような傾向にあることは分かっています。

  • 天体によってオーブを決める
  • アスペクトの種類によってオーブを決める
  • 接近か分離かによってオーブを決める
  • ネイタル、トランジット、プログレスによってオーブを決める

天体によってオーブを決める

太陽と月は占星術で重要な天体のため、この2天体についてはオーブを多くとる占星術家が多いです。例えば15度などかなり幅広いオーブを見積もっています。概ね太陽と月は8度から10度くらいのオーブが使われています。

アスペクトの種類によってオーブを決める

最も強い影響のあるアスペクトはコンジャンクションやオポジションです。この2つのオーブは10度、影響の弱いセクスタイルは6度などと、アスペクトの種類によってオーブを決めます。

接近か分離かによってオーブを決める

2つの天体が接近にあるのか分離にあるのかで、オーブを決めようとするものです。接近の方が影響が強いため、オーブの幅が広くなります。

ネイタル、トランジット、プログレスによってオーブを決める

ネイタル(出生図)とトランジットやプログレス(未来予測法で使用します)では、オーブの考え方が異なるという意見があります。

ネイタルのアスペクトは変わることはありませんが、トランジットは今現在運行している天体がネイタルに作るアスペクトのため刻一刻と変わっていきます。そのため、ネイタル(出生図)とトランジットやプログレスでオーブを変えようとするものです。

結局オーブはどうしたらよいか

メジャーアスペクトはオーブ8度でマイナーアスペクトはオーブ3度など、占う人によってさまざまです。これは、ある程度経験して、ちょうどよいところを自分なりに探していくしかなさそうです。

アスペクトも奥の深い項目です。最初に述べたように、まずはさらりと全体を勉強し、再度この項目について深く勉強していくのがよいと思います。

解読の優先順位

ホロスコープ上には様々なアスペクトが表示され、どのような優先順位で解読するのか分かりにくいです。

例えば、恋愛運を見るのに通常金星のアスペクトに着目しますが、いくつもアスペクトがあった場合、一体どこから手をつけたらよいのか迷います。

基本的には一つ一つ丁寧に解釈していくことになりますが、優先順位としては、強力なアスペクトから読んでいきます。

強力なアスペクトというのは、アスペクトの種類と天体、オーブはどのくらいかによります。まずは、メジャーアスペクトで、オーブが0度に近いものから着目していきます。(※オーブが0度に近いアスペクトをタイトなアスペクトと呼んでいます。)

出生図のアスペクトを見る時は基本的にメジャーアスペクトがメインになります。もしメジャーアスペクトで、オーブを多くとってもアスペクトがない場合は、マイナーアスペクトに注目していきます。

ノーアスペクト

アスペクトのオーブを5度などタイトにすると、アスペクトを1つも作らない天体がでてきます。

ノーアスペクトの天体に、どのような意味があるかというと、一説ではその天体が意味することが発揮されにくかったり、不活発だと言われています。例えば金星がノーアスペクトだと恋愛経験が少ないなどです。

逆に、どの天体からも制御されていないためどの方向にその天体のエネルギーが向かうのか、不安定だという説もあります。多くの文献を読んだ中では、後者の方が多かったです。

多くの文献を読んだ中では、後者の、不安定説の方が多かったです。

ただ、オーブをどのくらいとるかによって変わってくるので、どの状態をノーアスペクトというのかが問題です。また、サイン同士でアスペクトを見ればノーアスペクトになる天体は少なくなります。

サイン同士のアスペクト

サイン同士のアスペクトというのは、天体が位置する星座同士でアスペクトを見るというものです。

例えば、牡羊座の太陽と、獅子座の月の場合、120度のトラインになります。例え、太陽が牡羊座の5度で、月が獅子座の20度でもトラインになります。

うろ覚えですが、インド占星術もサイン同士のアスペクトを採用していたかと思います。また、雑誌やテレビの星占いもこの方法でアスペクトを出し、占っています。

アスペクトの矛盾

サイン同士のアスペクトを使うと、オーブを使用したアスペクトでは矛盾が出てきてしまいます。

例えば、サイン同士のアスペクトだと、一方が牡羊座で、もう片方が蟹座の場合、90度のスクエアになります。もし牡羊座の1度と、蟹座の29度の場合はどうでしょうか?オーブが2度の120度、トラインになってしまいます。

スクエアとトラインでは解釈が全く異なります。これを解決するのに、ある文献ではオーブ付きのアスペクトと、サイン同士のアスペクトが同じ場合だけ採用すると説明していました。あくまでも参考として紹介しましたが、サイン同士なのか、オーブなのかは、占いが当たっている方を採用していくしかないと思います。

サイン同士かオーブを利用するか

サイン同士を使ってアスペクトを見る場合、問題となってくるのが、トロピカル方式と、サイデリアル方式です。オーブを利用するにあたって問題となってくるのが、オーブをどのくらいにするのかという点です。

どちらを採用するにも一筋縄ではいきません。自分なりにいろいろ占ってみて、決めていくしかないと思います。

複合アスペクト

複合アスペクトとは3つ以上の天体がアスペクトを作りあっている状態をいいます。例えば次のようなものがあります。

グランドトライン:3つの天体が120度を作りあっている。

グランドクロス:2つのオポジションがクロスして形成される。4つの天体がかかわっています。

T字クロス:1つのオポジションに90度が加わってT字に形成される。3つの天体がかかわっています。

ヨード調停という特殊なアスペクトがあります。

ホロスコープの全体を解読する際に、これらのアスペクトがあるかないかまずチェックするためとても重要です。