占星術の勉強:ホロスコープの解読

西洋占星術の基本学習で、最終レッスンとなるのがホロスコープの解読です。ホロスコープには、それまで学習してきたパーツが詰められています。

しかし、ホロスコープを作成していざ占う、という段階でどうしたらよいのか戸惑うことが多いようです。
まずは、いくつものホロスコープを見て、見慣れることがその第一歩です。

ホロスコープの解読手順

ホロスコープの解読手順には決まりはありませんが、最初から細部にとらわれず、大雑把にそのホロスコープを把握して、次第に深く掘り下げていくのがよいと思います。

個人のホロスコープの解読手順は次のようになります。

  1. 大雑把に全体の特徴を捉える
  2. 占いたいことを決め細部を解読する

大雑把にホロスコープの特徴を捉える

全体を把握するのに、まずは10天体がいるサインの2,3,4区分の比率をみるのがよいでしょう。下のような表にすると分かりやすいと思います。

10天体の2,3,4区分の比率

男[ ]女[ ]
活動[ ]不動[ ]柔軟[ ]
火[ ]地[ ]風[ ]水[ ]

2区分で男が多ければ「外向きで積極的」
3区分で不動が多ければ「安定感があり最後までやりぬく我慢強さがある。しかし、なかなか行動に移さないため物事が進展しない」
4区分で風が多ければ「知性を重んじる」

という具合に解読します。また、1つもないエレメントがある場合も特徴になります。このように天体のサイン区分だけでもホロスコープの特徴がつかめます。

ソフトには自動で一覧を作ってくれるものがあります。
※「stargazer スターゲイザー」も一覧を出力してくれます。3重円のメニューで[機能]-[天体配列]を表示します。

サイン区分を見たら、次にハウス区分も見てみます。10天体が12ハウスのどの位置にあるのか、偏りがないか見ます。また、太陽と月の位置も見ます。チェックポイントとしては次の3項目です。

  • 上下どちらが多いか:上[7-12]下[1-6]
  • 東西どちらが多いか:東[10-3]西[4-9]
  • アンギュラー・サクシーデント・ケーデントの比率

上に多ければ客観的であり常に上を目指した活動。下に多ければ主観的で縁の下の力持ち的な活動。
東に多ければ、自己の力で道を切り開いていく。西に多ければ他者によって人生が変わりがち。
アンギュラー・サクシーデント・ケーデントは、活動、不動、柔軟に置き換えて解読します。アンギュラーが多ければ活動サインが多いと見ます。
さらに、太陽と月のある位置も見ます。

ここまでが全体のとらえ方です。

この他に、太陽と月は個人を表すのに重要な天体のためこの二つ天体のサインの組み合わせからも性格を読み解きます。
また、ASCとMCのサインと、ASCルーラーのサイン位置、ハウス位置も重要ポイントとしてみる占術家もいます。

占いたい事柄を決め細部を解読する

細部を解読するのに、順番はありませんが、以下に3つ例を挙げました。

  • 占いたい事柄を決め細部を解読する:占いたい事柄を決め細部を解読するには、各ハウスが受け持つ意味を知らないと解読できません。結婚運を占いたい場合は、7ハウスを見ます。仕事運を見たい場合は6ハウスと10ハウス、金運なら2ハウスと8ハウス、5ハウスなど。
  • 1ハウスから順に読む:1ハウスから順に読むには、ボリュームがありすぎるため現実的ではないかもしれません。しかし、学習には必要でしょう。
  • パーソナル天体のいるハウスから読む:パーソナル天体のいるハウスから読む場合は、一例ですが次のような見方ができます。
    • 太陽がいるハウス:その人がもっとも輝く事柄
    • 月がいるハウス:その人が慣れ親しむ事柄
    • 水星がいるハウス:その人の能力を発揮する事柄
    • 金星がいるハウス:その人が好きな事柄
    • 火星がいるハウス:その人が行動的になる事柄
    • 木星がいるハウス:その人が容易に達成できる事柄
    • 土星がいるハウス:その人が苦労して学ばなければならない事柄

    木星と土星はパーソナル天体ではありませんが、上記のような見方ができます。事柄とはハウスの意味から汲み取ります。また、その事柄がうまくいくか行かないかはアスペクトが暗示します。そして、その事柄にスポットを当てるのが、トランジットです。

以上簡単ではありますが、ホロスコープの解読について触れてみました。ホロスコープの解読には決まった方法があるわけではなく、占術家は独自の方法で解読しています。その方法を知るには、本を読んで参考にするのが一番だと思います。

ホロスコープの解読が書かれた本

ホロスコープの解読方法が説明された和書をいくつか紹介したいと思います。

ホロスコープが自分で読める 鏡リュウジ 星のワークブック



ホロスコープが自分で読める 鏡リュウジ 星のワークブック

どう解釈するのかに重点を置いたワークブックです。空欄に当てはまる天体やサインを記入していって、最終的に文を自分で完成します。

考えて文を作らなくてはいけないので、理解度が高まり、身につくと思います。

2018年に改訂版が出版されました。元の本にさらに各サインにいる天体の意味や、ハウス、アスペクトの解釈が加わり、占星術の基本が学べる1冊になっています。最後の章に2つのホロスコープの解読例を掲載してます。

また、オンラインモバイルサイトでホロスコープが作成できるサービスをおこなってます。ホロスコープは、プラシーダスが採用されています。プラシーダスは出生時間が分かっている場合利用できますが、不明な場合はASC、MCは参考になりません。

出生時間が分からない場合

もし、上記サイトでホロスコープを作成する場合で、出生時間が不明な時の時刻の設定について紹介します。

日本で生まれた場合、とりあえず12時にします。ASCとMCは無視するしかありません。動きの速い「月」は、表示された位置から前後7度ほどのずれがあると思ってください。前後7度を見て星座の境界があれば、どちらの星座が自分にしっくりいくのか考えてみるとよいと思います。



鏡リュウジの占星術の教科書 I:自分を知る編

最新占星術入門



最新占星術入門

私の持っている本は1996年に発行されたもので、この増補改訂版ではないため、差分は分りません。

この本はホロスコープを独習で解読するために書かれた本です。

サインと、ハウスに入る天体のもつ意味の違いについてなど、基本的な事柄の他に、ところどころに、読み方のコツがちりばめられています。

ホロスコープの解読の勉強に、「解読」のコツの項が参考になります。

何度読んでもためになる本。ずーと手元にあります。


完全マスター西洋占星術



完全マスター 西洋占星術

こちらは、「占星学の教科書」を目的に書かれた本。広範囲をカバーし、しかも奥深く学習できます。大型本で500ページほどあり、各ページの文字もギューと入っているので、1,2週間(1,2カ月かも?)で理解はできません。量が多いので、入門には少し敷居が高いと思います。

ゆっくりと理解しながら読むのがよいと思います。


あなたのための占星術



あなたのための占星術―ステップ・バイ・ステップのバースチャート解釈でたどる自己理解・癒し・自己実現の旅

タイトルから、自己啓発よりの本かとずっと思っていましたが、気になって購入して、違う事を知りました。この本は、ホロスコープのリーディング目的に書かれた本です。

海外で1987年に初版が発行されて以来ロングセラーを続けるこの本を日本語に訳して出版されました。2006年に改訂された本が元になっています。

独学でホロスコープを解読するための方法が、ステップバイステップで学べる、ワークブックです。

方法論は「ホロスコープが自分で読める 鏡リュウジ 星のワークブック」に似ています。

最後の方で学ぶ、「天体、サイン、ハウス、アスペクト、この4つについて、どう解読するのか」が、今までにないものだと思います。

各サイン、天体、ハウス、アスペクトの勉強と、トランジット、プログレスのことにも触れ、一通り独習できる本で、おすすめです。

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