占星術講座6:ホロスコープの作成方法

占星術で一番重要なのがこのホロスコープの作成です。ホロスコープは、ある場所のある時間において、天体が地球から見てどの位置にあるかを示したものです。ホロスコープはチャートとも呼ばれています。ある人の出生した時のホロスコープは、出生図(ネイタル)と呼ばれます。ある国が誕生した時のホロスコープは、始原図と呼ばれます。呼び方などありますが、作り方は同じです。

当講座では、無料のオンラインホロスコープ作成ツールを使ってホロスコープを作る手順を紹介します。

現在では、インターネット上で無料で作成してくれるサービスやソフトなどが多数ありますので、手作業で1からチャートを作るというのはあまりないでしょう。ただ、どのようにして作られるのかは一度経験しておいたほうが後々ためになります。以下のセクションでは、補足事項としてオンラインツール以外のホロスコープの作成方法を紹介しています。

無料ホロスコープ作成サイトと使い方

Webブラウザ上にホロスコープを作成してくれる、無料のオンラインサービスサイトを紹介します。パソコンやスマホでも利用可能です。

MyAstroChart 無料ホロスコープ作成サイト

まず上記サイトにアクセスしましょう。画面上部にある『ホロスコープ設定』から『シングルチャート』を選択します。

続いてこの画面に入力していきます。

  • 生年月日
    ADを選択して、年、月、日を入力します。

  • グレゴリウス暦を選択します。
  • 出生時刻
    不明の場合は12:00を入力します。日本ではほとんどの場合、母子手帳に時間が記録されています。できるだけ正しい情報を入力してください。
  • UTC/GMTとの時差
    デフォルトのまま、+9:00を選択します。
  • ハウス
    プラシーダスハウスを選択します。
  • 出生地[緯度・経度]

    初めて呼吸した場所を入力してください。生れ育った所ではありません。緯度・経度の調べ方はいくつか方法がありますが、こちらのサイト「https://www.geocoding.jp」ではスマホでも住所を入力して緯度経度を表示してくれます。表示された数字は例えば次のような数字です。

    ディズニーランド 緯度: 35.632896 経度: 139.880394

    この数字は10進数のため次のように60進数に変換します。

    • 経度は東経に入力します。139は、変換不要のため、139を選択します。
    • 続いて小数点以下の「880394」を分に計算します。
      「0.880394」×60=52.82364
      整数部分の52が分です。
    • 同じように緯度も計算して入力しましょう。

全て入力した画面は次のようになっています。

これで入力は終わりです。最後に『シングルチャート(アスペクト表示付き)を作成!』をクリック(タップ)するとホロスコープが作成されます。

これでホロスコープが作成されました。次の講座ではこのホロスコープの重要なポイントである、「感受点」について学びます。

ホロスコープの作成時に出てきた「プラシーダス」について学習されたい方は、当ページのハウス分割法の種類をご覧ください。また、手動でホロスコープを書く方法については、以下のセクションを読み進めてください。

占星術講座7:ホロスコープの感受点

占星術講座7では、ホロスコープ上の感受点やその重要性について詳しく解説します。感受点は、ホロスコープ ...

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海外で生まれた場合の入力のしかた

海外(日本国外)で生まれた場合の「MyAstroChart」の入力方法を紹介します。

  1. 出生日時を日本時間に計算します。(サマータイムなど注意)
  2. 計算した日時を「生年月日」と「出生時刻」に入力します。
  3. 画面の「UTC/GMTとの時差」は「9時間日本標準時」のまま
  4. 場所は生まれた場所(海外)の緯度経度を入力します。

ハウス分割法の種類

ハウス分割法とは、ホロスコープを12等分する方法で、方法論がいくつも存在します。

代表的なハウス分割法には、プラシーダス方式、ソーラー方式、ソーラーサイン方式があります。ホロスコープの作成サイト「MyAstroChart」で使われているイコールハウス方式についても下記で解説しています。

プラシーダス方式

日本ではプラシーダス方式が一般的に使用されています。プラシーダス方式とは、ハウスの境界線を計算する際に「出生地での地平線からの距離と地球の自転」を考慮し、ホロスコープ上で正確なハウス境界線を描くことができます。各ハウスのサイズ(角度)は均等ではなく、場所や季節によっても変化するのが特徴です。プラシーダス方式を使用するには「室項表(しつこうひょう)」が必要ですが現代ではコンピュータが自動で計算してくれます。

ソーラー方式

ソーラー方式は、出生時間が不明な場合に利用されることが多いです。日の出時刻や平均的な出産時間を基に太陽の位置を決め、太陽をASC上に置き、そこから30度づつ等倍にして分割する方式です。

ソーラーサイン方式

ソーラーサイン方式は、雑誌の星占いなどで多くつかわれています。太陽の星座を1ハウスとして、30度づつ等倍に区切る方式です。太陽星座が天秤座なら、天秤座の0度が1ハウスの始まり(ASC)になり、蠍座の0度が2ハウスの始まりになります。

イコールハウス方式

イコールハウス方式は、ASCから30度づつ等分に区切ってハウスを分割する方法です。この方式ではMCの位置と10ハウスの位置が異なります。プラシーダス方式では、地形などを考慮しているため各ハウスの広さが異なりますが、この方法では均等になります。地域によっては偏ったハウス分割ができてしまうことがあります。それを回避するためにこのイコールハウス方式が使われることがあります。※ASCとMCについては、次の講座である「感受点」で紹介しています。

ホロスコープを作成するソフト

ホロスコープを作成してくれるソフトを紹介します。

Amazon(PR):新版 Stargazerで体験するパソコン占星学小曽根 秋男 (著)2006年

「Stargazer」は多機能で、四季図、月相、ソーラー・ルナーリターン、時期表、プログレス、トランジット、イングレス、逆行、順行、ボイドなどなどを瞬時に画面とファイルに出力してくれます。

ソフトのバージョンについては、この書籍のサイトにメンテナンス情報がありますので、最新版まで更新できます。最新の天文歴は2050年まで対応してます。対応しているOSですが、私が購入した当初はWindowsXPでしたが、現在Windows11・64bit上で利用しています。チャート作成や時期表出力などほとんどの機能は問題なく動いています。

Stargazerはソフトだけでなく、本の情報量も豊富で、基本的な事柄からマンデン、アラビックパートなど多数の占星術で使われる事柄を扱っています。

Stargazerの再インストールについて

PCを買い替えたとき再度CDからインストールしなくてもフォルダごとコピーすればそのまま使えます。フォルダ名は「sgwd・・・」という名前です。

Stargazerを利用するにあたっての注意点

  • フォントは、著作権で保護されています。
  • 占術のためにソフトを使って出力物を個人に差し上げるのは許諾していますが、ホロスコープやその他、出力物を不特定多数の人に配布することは、 作者の許諾が必要です。
  • チャートをインターネット上に掲載することも、不特定多数の人に配布するのと同じ行為になります。出力物をWeb上へ掲載する場合、筆者への許諾が必要です。

無断でWeb上に出力物を掲載するサイトを多々見受けます。著作権の侵害行為となります。本の最後のほうのページに説明があります。一読を。著作権は守りましょう。

ホロスコープを手作業で作る場合

ホロスコープを手作業で1から作る場合に必要なものを紹介します。

ホロスコープの作成に必要なもの

天文歴・室項表・恒星時表・時差表(・その場所の緯度経度・出生時間)

ホロスコープ作りに必要なのが、天文歴ですが、日本でもいろいろなタイプの天文歴が販売されています。天文歴に掲載されている天体の位置情報は同じものですが、どの時間を基準に作られているのかが異なります。世界標準時なのか日本標準時なのかなど。また、天体の位置情報以外に、月相や惑星の合の情報など付加情報がいろいろ掲載された天文歴もあります。インターネット上のホロスコープ作成サービスでは、この天文歴を見ることはないと思うので、いちど手にとって見てみるのもよいと思います。

また、位置の表記が異なるのかもしれません。天文歴はほとんど60進法で度分ですが、ホロスコープ作成サービスで出力されるのは、10進法の事があります。例えば、牡羊座10.97となっていれば、60進法にすると、10度58分12秒になります。どちらの表記なのかさえ分っていれば問題ないと思います。

天文歴の次に必要なのが、室項表です。生れた場所と時間から、Asc(アセンダント)とMc(ミッドポイント)を計算して求めるために必要になります。天文歴には通常、室項表・恒星時表・時差表も掲載されています。

ホロスコープの作成が書かれた本

ホロスコープの作成には細かい計算と順番があります。ここでは、ホロスコープの作成方法について書かれている本を紹介します。

占星学実践講座

Amazon(PR):占星学実践講座 (世界占星学選集 (第4巻))訪 星珠著 1996年5月

私が持っている本は1987年出版の『新実践占星学』(定価6000円)ですが、内容は同じです。日本で生まれた場合とアメリカで生まれた場合のホロスコープの作成方法が例題にあります。「時間についての基礎知識」という説明があって理解が深まります。天文歴は別途購入する必要があります。

占星学

ラファエル天文暦を使って東京生まれを例にホロスコープの作成を説明しています。見やすいので理解もしやすいです。2010年までの天文歴やその他必要なものは一通りありますが、天文歴は簡略化されたものなので、別途購入した方がよいと思います。

天文暦

『完全版 日本占星天文暦1900-2010』は、1900年から2010年の日本標準時の天文歴です。各ページの構成(情報)は下記の21世紀占星天文暦と同じですが、巻末にボリュームある付録がついています。日本生まれと外国生まれの場合の出生図の作成方法、日本標準時のプラシーダス式室項表(日本の主な6都市)、コッホ式室項表、世界主要都市の経度緯度表(明石との時間差)です。

『21世紀占星天文暦―2001~2050A.D.』は、日本標準時の天文歴で2001年から2050年まで掲載されています。月は午前0時と正午の情報、それ以外は毎日午前0時の位置情報があります。逆行している天体は網掛けになっています。基本10天体以外に、月のノードとキロンの毎月1日の位置情報、月のイングレスとイングレス前の最後のアスペクト(ボイドタイムが分かります)、その他の天体のイングレスタイム、順行と逆行の時間、月の位相の時間と位置、(日蝕と月蝕があれば記載)月ごとに掲載されています。付録はありません。

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