占星術の勉強1:歴史と占星術の種類

占星術を勉強する前に、占星術は1つだけでなくいくつか種類があるということを勉強することをお勧めします。その上でどの占星術を勉強するのか決めるのがよいと思います。当ページでは占星術の歴史を簡単に説明しています。

占星術の勉強をイメージしたイラスト

占星術の歴史

占星術の歴史は古く、メソポタミア文明とともに発展したといわれています。この文明が栄えた土地には多くの民族が住み、その中で遊牧民が星の位置を頼りに生活していたため、占星術や暦が発達したということです。

発祥の時期はBC2000年頃の古バビロニア時代、場所はというと、現在のイラン(ペルシャの一部があったところ)周辺です。

その後、紀元前7世紀にメソポタミア南東部に新バビロニア王国を建国したカルデア人(もともとは遊牧民だったがのちにバビロニアに定住する)が天文学と占星術をさらに発達させていき、長い時間をかけてインドへ、またはギリシアからヨーロッパへ、さらにシルクロードを伝って中国へと広がって行きます。

ギリシアからヨーロッパへと渡った占星術の歴史ですが、転機を迎えるのが18世紀末になります。望遠鏡が発明されて新しい天体の発見とともに、占星術に新しい時代がやってきます。この時期を境に古代占星術と現在も利用されている近代占星術に分けられます。

また、18世紀末から19世紀にかけては、占星学と天文学に分離された時代でした。長い歴史のなかで、天体の利用方法や目的などの違いから、占星学者と天文学者に大別されるようになったのです。いっときは、国の権力者にもてはやされた占星術でしたが、非現実的なものとして扱われ、国によっては占う事自体違法とされるなど、占星術が闇に葬られようとするような事もありました。

21世紀を迎えた現代では、占星術が個人の運命を占うものだけではなく、株の売買などにも使われるなど幅広く浸透してきました。

占星術の種類

各土地に渡った占星術は主に次の3つがあります。

  • ヨーロッパ:西洋占星術
  • インド:インド占星術
  • 中国:東洋占星術

どの占星術も最初は天上を運行する天体の位置をもとに占ってました。歴史から見てこれらの西洋占星術とインド占星術、東洋占星術のおおもとは同じですが、占術は全く異なります。長い年月を経てインドや中国に伝わった占星術はその土地でさらに変容していきました。

日本に占星術が伝わってきたのは8世紀頃とされています。伝えられたのはインドや中国で変容した占星術で、日本では「密教占星術」と言われていますが、これは「宿曜道」がおおもとになってます。

占星術は長い歴史の中で変容して今日に至っています。多くの先人たちが残してくれた占星術の手法はたくさんありますが、まだ発展途上の段階で確立はされていません。その占法は各個人に委ねられていて、まだまだ変容していくのかもしれません。

占星術の古書の紹介

以下のリンクにはプロモーションが含まれます。

Astrology in Ancient Mesopotamia

参考までに、メソポタミア文明で生まれた占星術で、紀元前1000年頃に天体が示す前兆をまとめた「Enuma anu enlil」(出典:wikiペディア・占星術)という書物を紹介します。70Table程あり、いくつかに分割されて出版されています(英語)。

天気や地震、月食、日食についてなど興味深い内容の本ですが、入手困難です。

この書とは別ですが、メソポタミア発祥の占星術について書かれたものがこちら。

Astrology in Ancient Mesopotamia: The Science of Omens and the Knowledge of the Heavens (English Edition)

英語版です。ペーパーバックの他にkindle版があります。

Persian Nativities

現代占星術のもととなったと思われる占星術の本を紹介したいと思います。3世紀ころのペルシアの占星術師が使った本で、プラトン(紀元前427年-347年:天文学や宇宙論、アトランティス伝説について論じた「テイマイオス・クリティアス」で知られる古代ギリシアの哲学者)の弟子であるアリストテレス(紀元前384年-322)が残したとされる占星術の本を翻訳したもの。

3冊からなり、ペルシア語、アラビア語で書かれたものを英語に翻訳しているため、読みにくさはありますが、占星術の研究には貴重な書物です。基本的には個人を占う手法がメインです。1巻から3巻まであります。