【入門】占星術講座4:占星術における10天体
占星術の10天体とは?
占星術を理解する上で欠かせない「10天体」は、私たちの性格や運命に多様な影響を与えるとされています。各天体はそれぞれ異なるエネルギーと象徴的な意味を持ち、ホロスコープを通じて個人の人生や性質に関わるさまざまな情報を伝えてくれます。

この講座では10天体について次の項目を学習します:
※当サイトでは「天体」という呼称を使用していますが、一般的には「惑星」と呼ばれることが多いです。惑星に読み替えて理解してください。
占星術の10天体とは?
占星術で使われる基本の10天体は以下の通りです:
太陽、月、水星、金星、火星
木星、土星、天王星、海王星、冥王星

上記の10の天体の名前とマークを書けるように学習しましょう。12サインと違って、順番通りに覚える必要はありません。
なぜ10天体なのか?
占星術では、たくさんの星がある中で「10天体」を特に重要なものとして扱います。なぜこの10天体が選ばれたのでしょうか?
昔の人々は、夜空を見上げながら、星の動きと地上の出来事が関係していることに気づきました。太陽や月、そして肉眼で見える星の中で、特に動きが特徴的なものが7つあったのです。これが「伝統的な7天体」(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星)です。
その後、天体望遠鏡の発展により、新たに3つの天体(天王星・海王星・冥王星)が発見されました。これらの天体は、発見された時代の社会の変化を象徴するような意味を持っていたため、占星術に取り入れられるようになりました。
こうして、「伝統的な7天体」+「新たに発見された3天体」=10天体という形になり、現代の占星術ではこの10天体を使ってホロスコープを読み解いています。
近年では、キロンやジュノーなどの小惑星を含める考え方もありますが、まずは10天体をしっかりと理解することが重要です。
天体の意味はどのように決まったのか?
占星術における天体の意味は、古代の人々が夜空を観察し、天体の見た目や動き、それに関連する神話をもとに決められてきました。 そのため、天体にはそれぞれ象徴的な意味が与えられています。
例えば、♀金星は明るく輝く美しい星であったため、愛と美の女神ヴィーナスと結びつきました。 これが、金星が愛や魅力、美しさを象徴する理由です。
また、18世紀以降に発見された天王星・海王星・冥王星は、その発見時の社会情勢や時代の流れと結びついて意味づけされました。
このように、天体の意味は、神話や天体の見た目、動きなどがもとになっています。 その背景を知ることで、天体の象徴するエネルギーがより理解しやすくなるでしょう。
10天体の基本的な意味
ここでは、天体の基本的な意味を紹介します。
- 🌞 太陽:自分らしさ・人生の目的
- 🌙 月:感情・安心感・無意識
- 🛰 水星:思考・言葉・コミュニケーション
- 💖 金星:愛・美・人間関係
- 🔥 火星:行動力・情熱・闘志
- 🎯 木星:成長・幸運・発展
- ⏳ 土星:責任・努力・試練
- ⚡ 天王星:変革・独立・個性
- 🌊 海王星:夢・直感・スピリチュアル
- 💀 冥王星:破壊と再生・極限の力
7つの天体と神話の関係
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星の7つの天体は、ギリシャ神話やローマ神話の神々と深い関係があります。神々の性質が、占星術における天体の意味に反映されています。
7つの天体と神話の神々との関連を紹介します。各天体の意味を考える上で参考になることでしょう。
☀ 太陽
神話の神:ヘーリオス・アポロン(ギリシャ) / ソル(ローマ)
ヘーリオスとアポロン:2つの太陽神
ギリシャ神話では、太陽の神にはヘーリオスとアポロンの2つの側面があります。
📌ヘーリオス(Helios)は、「太陽そのもの」の神で、毎日黄金の馬車を駆って空を渡る存在です。
📌アポロン(Apollo)は、後に太陽神とされ、「知恵・芸術・調和」を司る神となりました。
🌙 月
神話の神:アルテミス(ギリシャ) / ルナ(ローマ)
月は、狩猟と月の女神アルテミスと関連しています。アルテミスは、母性的な側面と同時に、独立心が強く、守護者の役割も持ちます。
☿ 水星
神話の神:ヘルメス(ギリシャ) / マーキュリー(ローマ)
水星は、神々の使者であり、知恵と商業の神ヘルメスに由来します。ヘルメスは、言葉を操り、情報を伝える役割を持つ神です。
♀ 金星
神話の神:アフロディーテ(ギリシャ) / ヴィーナス(ローマ)
金星は、美と愛の女神アフロディーテと結びついています。アフロディーテは、美しさと魅力を司る神であり、愛と調和の象徴です。
♂ 火星
神話の神:アレス(ギリシャ) / マルス(ローマ)
火星は、戦争の神アレスに由来します。アレスは、戦場での勇敢さや破壊的な力を象徴する神です。
♃ 木星
神話の神:ゼウス(ギリシャ) / ジュピター(ローマ)
木星は、神々の王であるゼウスに関連しています。ゼウスは、広い視野を持ち、正義を司る神であり、豊かさと発展をもたらします。
♄ 土星
神話の神:クロノス(ギリシャ) / サトゥルヌス(ローマ)
土星は、時間と運命の神クロノスに由来します。クロノスは、厳格で秩序を重んじる神であり、試練を与える存在でもあります。
近代占星術と外天体の発見
天王星・海王星・冥王星は、発見時の社会情勢を反映する象徴をもちます。
♅天王星
発見:1781年(フランス革命・アメリカ独立戦争の時代)
社会の秩序が崩れ、新しい価値観が生まれた時期です。この頃、科学技術や電気の発展も始まります。
♆海王星
発見:1846年(ロマン主義・精神世界・スピリチュアルの発展)
芸術・音楽・神秘主義が栄え、現実よりも夢や幻想を求めた時代でした。麻薬やアルコール中毒などの問題も増えました。
♇冥王星
発見:1930年(世界大戦・核開発・深層心理学の時代)
戦争による大破壊と、その後の新しい秩序が生まれた時期。フロイトやユングによる深層心理学が発展しました。
このように、新しく発見された3つの天体の意味は、その時代の象徴的なテーマを反映し、宇宙の動きと地球の変化がリンクしています。
神話と占星術
神話はただの物語ではない?
こうして天体の意味を知ると、なぜ古代の人々が神話を大切にしていたのかが見えてきます。 7つの天体の意味が神話からきているのと同じように、天王星・海王星・冥王星は、発見されたときの社会の変化とリンクしています。
つまり、神話はただの作り話ではなく、天体の動きと人々の歴史や意識の変化を映し出したものなのかもしれません。 そう考えると、古代の人々が築いた占星術の知恵が、現代にも通じる宇宙の法則のように思えてきます。
このように、占星術は「過去の知恵」と「現代の発見」を結びつける学問です。 まずは、この10天体をしっかり理解することから始めましょう!
支配星(ルーラー)
講座の最後に支配星について学習します。各サイン毎に、天体が1つ割り当てられています。この天体を支配星と呼びます。
以下が各サインと支配星の対応です。徐々にでよいので、12サインの支配星を覚えていきましょう。支配星は「ホロスコープの解読」で使用します。
- 牡羊座:火星
- 牡牛座:金星
- 双子座:水星
- 蟹 座:月
- 獅子座:太陽
- 乙女座:水星
- 天秤座:金星
- 蠍 座:冥王星
- 射手座:木星
- 山羊座:土星
- 水瓶座:天王星
- 魚 座:海王星
水星と金星は2つのサインの支配星になっています。
講座の終わりに:占星術の10天体
以上で「【入門】占星術講座4:占星術における10天体」講座を終了します。10天体の名称と、記号、各サインの支配星を少しずつ覚えていきましょう。続いて「【入門】占星術のアスペクト」について学習します。
10天体についてさらに学習したい方は、【基礎編】も受講してください。【基礎編】では、内天体、外天体、各天体とサインの意味について学習できます。