未来予測占星術ー日蝕と月蝕・新月と満月ー

未来を予測する方法としては、一般的に「プログレス法」や「トランジット法」が知られていますが、月の満ち欠けや日蝕・月蝕(以下「月相」)から読み解く占星術も、過去の出来事を振り返ると当たっていることが多く、注目すべき手法です。月相は「新月」「満月」「月蝕」「日蝕」の4つの現象で構成され、それぞれが人生の新しいスタート、達成、清算、長期的な変化を象徴しています。ここでは、月相による占い方法を詳しく紹介します。

日蝕と月蝕、新月と満月の影響と占い方

「月相」とは、新月・満月・日蝕・月蝕の4つの月のサイクルを指し、占星術において次のような意味を持ちます。

  • 新月:新しいスタート、物事の始まりや目標設定に良いタイミング
  • 満月:結果や達成、感情の高まりや物事の成就を示すタイミング
  • 日蝕:長期的な変化を伴う、新しい展望の始まりや大きな転機
  • 月蝕:過去の清算や終了を象徴し、隠れていた真実が明らかになるとき

日蝕・月蝕・新月・満月の確認方法

日蝕や月蝕、新月・満月の日付を調べるには、天文歴を利用します。国立天文台やNASAの公式サイトで確認することが可能です。

また、ホロスコープ作成ソフト「Stargazer」を使うと、ワンクリックで月相とそのアスペクトをホロスコープ上に表示できます。さらに、三重円で出生図との関係も確認でき、非常に便利です。

※筆者は2006年版のStargazerを使用していますが、アップデートパッチでWindows 11(64bit)にも対応しています。

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月相を活用した占い方法

月相を利用する占星術には、次のような方法があります。

  • 個人の出生図における月相と天体のアスペクトを見る
  • トランジットの月が出生図のどのハウスに位置するかを見る
  • 月相のタイミングでホロスコープを作成し、太陽と月のアスペクトを確認する(マンデン占星術)

出生図と月相の関係

個人の出生図において、月相がネイタル天体にアスペクトを作ると、人生に変化が訪れることが多いとされています。

例えば、歌手の安室奈美恵さんは引退発表の時、新月が彼女の太陽にぴったり合となっていました。また、安倍晋三元首相も、誕生日付近で新月が太陽に重なった頃に衆院の解散を発表しています。

月蝕が天王星と良好なアスペクトを取った2017年8月には、アメリカで過去最高額のロト当選者が出たこともありました。このように、月相は人生に驚きや変化をもたらす節目となることがあります。

月相がネイタル天体にアスペクトを作っていない場合も、新月がどのハウスに位置するかに注目することで、変化の起こるテーマを見極めることができます。

マンデン占星術と月相

国家や社会、経済を占う手法にマンデン占星術があります。そして、マンデン占星術の一つに、月相時のホロスコープを作成して占う方法があります。特に日蝕のときの月相図は重要です。影響が長いためです。

過去の日蝕図を見てみると100%ではありませんが、地震や災害が大きい時は日蝕がマレフィックとハードなアスペクトを作っているのを多く見てきました。同時に多くの天体が関わっているとより影響が大きいと見ます。

また、1995年の阪神淡路大震災も満月に近いタイミングで発生しており、月相と社会的出来事との関係性が考えられます。阪神淡路大震災が発生した時、月は海王星と天王星と180度。天王星とはタイトなアスペクトでした。

月相の影響期間

占星術では、日蝕は太陽と月が合になる時間を占いに使用します。月蝕は太陽と月が衝になる時間を占いに使います。月相の影響期間として多く言われているのが、次の一覧のようになります。

  • 新月は次の新月まで
  • 月蝕は数か月
  • 日蝕は数年、ほとんど3年から4年

特に日蝕は数年に渡り影響があります。この期間は日蝕の種類によって変わってきます。例えば日蝕には部分日食と皆既日食があります。皆既日食の方が影響は大きくなります。さらに、蝕の時間に応じて影響度が変わるという定説があります。また、月相はその現象が観測される地域において特に強く影響が及ぶとされており、見える場所が限定されている場合はその範囲内での影響が重視されます。

月相・日蝕・月蝕の本

月相についてさらに詳しく知りたい方は、関連書籍を読むことで理解が深まります。以下に日蝕や月蝕、新月や満月の影響や解釈について詳しく解説されている書籍を紹介します。紹介する本は洋書ですが、月相で占う方法が詳しく説明され参考になります。

Interpreting the Eclipses

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Interpreting the Eclipses
Robert Carl Jansky1979年

初版が1979年で再版が2013年のロングセラーの1冊です。初版当時の占星術的蝕の読み解き方の本といえばこれではなかったのでしょうか。
先行日蝕・月蝕のことから蝕がネイタルの天体とアスペクトした場合、どのハウスに在室しているかなどについて書かれています。
ページ数が少なく蝕に関する主要な事柄がある程度網羅されているので、蝕とネイタルについてざっくり知ることができます。

例としてエルビス・プレスリーの健康と蝕についての解説と、企業の倒産と蝕についてチャートと一緒に解説してます。

Eclipse Interpretation Manual

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Eclipse Interpretation Manual
Rose Lineman1986年

第一版が1986年で2004年時点で第5版を出版。こちらも数少ない蝕と占星術に関する本でロングセラーとなっています。個人のネイタルチャートと蝕について述べられています。

  • トランジットの蝕のサインの意味
  • トランジットの蝕が在室するハウスの意味
  • トランジットの蝕がネイタル天体と作るアスペクトの意味

アスペクトの種類について、合と衝について述べられている本が多い中、こちらは第1種のアスペクトを網羅しています。10天体以外にも月のノードとASC,MCへのアスペクトについても説明があります。最後のページで蝕を使った占い方を簡単に述べています。蝕の天文歴は20世紀までのものになっています。

Eclipses: Predicting World Events & Personal Transformation

こちらも定評のある本ですが、個人とマンデンの両方を兼ね備えていてボリュームのある1冊です。多くの本では蝕がどのサインで起こるのかに注目していますが、こちらはサインの他に月のノードがどちらなのかに着目していてその研究結果を発表しています。月のノードによって、蝕の良悪を判別しています。他の本には見られない見解で参考になります。

個人のチャートに対する蝕についてはネイタル天体に対する蝕の合の解説のみのためどちらかというとマンデン占星術に重点が置かれています。

Eclipses and You

基本的には個人のネイタルに対する蝕について紹介していて、主に次の項目が掲載されています。

  • 蝕のタイプ(月のノード・サイン4区分)月食と日食の影響の違い
  • 影響期間
  • 蝕と12サイン
  • 蝕の周期
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