未来予知占星術ープログレス法ー
プログレス法とは?
「プログレス法」とは西洋占星術における未来予測の手法の一つで、トランジット法と並んで古くから用いられている定評のある未来予測法です。内面の変化やそれが引き起こす転機を占うことができます。別名「プログレッション」「ディレクション」、日本語では「進行法」や「運進法」とも言われています。
このページでは、未来予測のプログレス法について次の事を紹介しています。
プログレス法の種類を知る
プログレス法には、どの天体をどう動かすかによっていくつかの手法があります。主に使用されているのは、次の3つです。
- 一日1年法(セカンダリー法)
- ソーラーアーク法(ソーラーアークディレクション)
- 一度1年法
一日1年法
一日1年法は「セカンダリー法」とも呼ばれ、生まれた日から1日を1年と見立てて天体の位置を進めていく方法です。例えば、1月1日生まれの人が10歳の時期を占いたい場合は、1月11日の天体位置を見ます。(誕生日の1月1日が0歳、1月2日が1歳に対応します)一日1年法では木星や冥王星などの外天体は動きが少ないため、ほぼ変わらないことが多いです。
ソーラーアーク法
ソーラーアーク法は、太陽が1日に動く度数を使って予測する手法です。例えば1月1日生まれの人が10歳時点の運勢を占う場合、誕生日から10日後の太陽位置との差分を求め、ネイタル(出生時の)天体全てにその差分を加えて占います。
この方法では、全ての天体が太陽と同じ度数分だけ動くため、アスペクトが多く現れる特徴があります。また、逆行中の天体でも同じ度数を加えます。
尚、ソーラーアーク法では、太陽の平均的な運行度数を使用する方法もあります。
1度1年法
1度1年法は、1度を1年に見立ててネイタル天体を進めていく方法です。動きが遅い外天体のみに1度1年法を使う人もいます。
どの方法がよいか?
プログレス法には多くの種類がありますが、大方の占術家は次のように選択しています。
- 内天体(太陽、月、水星、金星、火星)には一日1年法を使う
- 外天体(木星、土星、天王星、海王星、冥王星)にはソーラーアーク法または、トランジット法を使用する
私は全ての天体を一日一年法で使ってます。
プログレスのホロスコープの作り方
無料ホロスコープツールを使ってプログレスを作る
プログレスは無料のホロスコープツールを使って簡単に作ることができます。この場合、まず、どの時点を占いたいか決めます。30歳時点の予想をしたい場合、生まれた日時を基点にして30日先の日時を計算します。
1月1日9時生まれの人が20歳の時を占うには1月21日9時
30歳なら1月31日9時
無料のホロスコープツールは次のサイトを使用します。
MyAstroChart 無料ホロスコープ作成サイト MyAstroChart
MyAstroChartにアクセスして上部の「ホロスコープ設定」-「二重円」を選択します。
上部の内円には、出生日時を入力していきます。出生時の入力方法は、次のページで細かく紹介していますので参考にしてください。
次に、画面下部の「外円」に占いたい時点を入力していきます。注意したいのは、占いたい時点の場所です。生まれた時と違う場合がありますので、その時点でどこにいるのか確認してください。
全て入力して、「二重円を作成(アスペクト表示付き)」をクリックすると次のようなホロスコープが作成されます。
二重円の見方(プログレスとネイタル)
上のホロスコープで内側が出生図(ネイタル)、外側がプログレスのホロスコープです。画面を下に移動すると、下のイラストのように各天体の位置が逆行、順行の状態が分かります。
プログレスの注目ポイント:天体の位置と逆行・順行
プログレスで注目するのは、次のポイントです。
- サインの移動がないか
- ハウスの移動がないか
- 逆行・順行に転じた天体がないか
内天体は動きが速いため、上記の事が多く見られます。このポイントが人生の転機となることが多いため、どの時点で変化があるのか、1か月、1年ごとのプログレス図を作って確認していく必要があります。(ソフトを使うと瞬時に画面とファイルに出力してくれます)
プログレスの注目ポイント:アスペクト
さらに、下に移動するとプログレス天体がネイタル天体に作るアスペクトが分かります。右側がプログレス天体です。この表で注目したいのは、プログレスの内天体で、タイトなアスペクトを作っていないかです。上に表示されるほどタイトなアスペクトを作っています。
例えば、プログレスの水星がネイタルの太陽に合を作っています。位置を見るとこの時点で合から少し離れているので、少し前の出来事を表しています。
プログレスを自動計算してくれるソフト
プログレス法で未来予測をするには、瞬時に自動計算してくれるソフトがあると便利です。
「Stargazer(スターゲイザー)」を使えば、一生分のネイタル天体(出生時)とプログレス天体のアスペクトを全て画面とファイルに出力してくれます。
プログレスの占い方:転機の時期を知る
プログレス図を使って占うには次のポイントを見ます。
- プログレス天体とネイタル(出生)天体にアスペクトがないか
- プログレスした天体が移動したサイン(星座)がないか
- プログレスした天体が移動したハウスがないか
- プログレスした天体に順行・逆行の変化がないか
これらが現れる時期は、内面に変化が発生し人生の転機や分岐点になりやすいとされています。
※アスペクトのオーブ(度数範囲)はおおよそ1度で、例えば太陽のプログレスなら正確なアスペクトを作る1年前くらいからアスペクトを作った1年後までが効果があると見ます。※ただし、占星術師によって見解が分かれ、正確なアスペクトしか採用しないという意見もあります。
プログレスした天体とアスペクトの意味
プログレスする天体はその人の内面に変化が起こることを表してます。例えば、月ならその人の感情に変化があることや、金星なら愛情の変化になります。一例ですが、プログレスする天体の意味を見ていきましょう。(pはプログレスを表します)
天体の意味
- プログレス天体の意味
- p太陽:内面・性格の変化
- p月:感情の変化
- p水星:考え方の変化
- p金星:愛情や好みの変化
- p火星:情熱や行動の変化
- p木星:得意とする事への変化
- p土星:苦手とする事への変化
- p天王星:固定観念を打破するような変化
- p海王星:夢や理想の変化
- p冥王星:全ての事が180度変わる変化
上記のように天体が象徴する内面の事柄に変化が起こります。n太陽(ネイタル太陽)も内面を表します。そのため、n太陽☌p太陽は、内面に大きな変化があると解釈できます。
アスペクトの意味
アスペクトは影響度を表します。合がもっとも強く、続いて180度、90度、120度、60度になります。プログレスする天体がつくるアスペクトは、どんな種類てあれ、変化が訪れます。
ハウスの意味も加味する
プログレスする天体がネイタルにアスペクトを作る場合、ネイタルの天体とハウスにも変化を及ぼします。
例えばプログレスする太陽がネイタルの太陽に合を作る場合、内面に大きな変化が起こり在室するハウスの事柄にも変化が生じます。
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プログレスの占い方を解説している本
プログレス法を説明している本を和書を中心に紹介します。
占星学実践講座
プログレス法については次の内容が掲載されています。
- プログレス法を手動計算する場合の説明
- 進行したASC、MC、太陽、月、水星、金星、火星、木星が出生天体につくるアスペクトの説明
- 進行した太陽、ASC,MCのサインの意味
発売されてから約20年が経過し、入手が難しいかもしれません。この本はもともとは「新実践占星学」というタイトルで、日本占星学アカデミーが1987年に発行していたものです。当時の値段は8000円です。ISBNなどがないためごく稀にですが、占い専門の古本屋で販売していることがあります。
ホロスコープ占星術
ホロスコープ占星術には次の内容が紹介されています。
- 進行図の作り方
- 進行した天体が作るアスペクトについて簡単な説明
- 進行の太陽、月、水星、金星、火星と進行と出生天体のアスペクトの意味(外天体や一部組み合わせのないものもあります)
アメリカ占星学教科書 別巻1
『アメリカ占星学教科書 別巻1』は一冊すべてが未来予知法について書かれた本で、原書は次の本です。
原書の方が手に入りやすいと思います。プログレス法については、次の項目があり、実例も豊富です。
- セコンダリーープログレッション
- プログレッション・ムーン
- ソーラーアークディレクション
- プログレッションとディレクション
鏡リュウジの占星術の教科書III
占星術の教科書として5冊出版されていますが、3冊目のこの本はプログレス法がメインに紹介されています。読みやすくプログレス法の勉強におすすめの1冊です。
プログレス法以外にソーラーアーク法も紹介されています。また、オンラインで無料で利用できるホロスコープ作成サービスの使い方も紹介されています。プログレスやトランジットのホロスコープも出力してくれます。
詳解月の正統西洋占星術
月を中心とした占星術の技法が解説されています。月のプログレス法も詳しく解説されていて参考になる本です。占星術の基本である、ハウスやサイン、感受点、アスペクトも学べます。