未来予知占星術ートランジット法ー
占星術で未来を占う方法にトランジット法があります。トランジット法は、調べたい時の天体が、ネイタル(出生図)のどの天体や感受点とアスペクトしているか、または、どのハウスにいるのかを見て占う方法です。古来からある最もポピュラーな占い方法です。

当ページではトランジット法の占い方や、トランジット法について書かれたおすすめの和書を紹介しています。
トランジット法の占い方
トランジット法では基本的に10天体を使いますが、占うにあたって注意したい点や一般的に使われている占い方法などを紹介します。
トランジット天体の調べ方
トランジット天体の位置を調べるには、天文暦やソフトウエアが必要です。Web上にホロスコープで表示してくれる無料のサービス(MyAstroChart )もあります。これらのリソースを使用して天体の位置を調べます。ホロスコープではなく、データとして一覧で出力したい場合は、JPL(アメリカの政府機関NASAのサイトで英語です)というシステムを利用して入手することが可能です。
動きの遅い天体に注目
月や水星など動きの速い内天体は、ネイタル天体にアスペクトを作っても数時間、数日でアスペクトが終了してしまいます。そのため効力があまりないということで、トランジットでは動きの遅い外天体と比べると内天体はさほど重要視されません。
トランジットでは、まず動きの遅い天体から見ていきます。10天体のうち公転速度がもっとも遅いのが冥王星です。次に海王星、天王星、土星、木星、火星と続きます。
太陽が1日1度動くのに対して、冥王星が1度動くのに、1か月や2カ月かかります。逆行や順行があればもっとかかります。このように長い期間ネイタルの天体に影響を与えるため外天体は重要視されます。
ただ、内天体は無視をしてもよいかというとそうではありません。冥王星がアスペクトを作っていて、そこに内天体が次々にアクセスしてきたときに、何かが起こるかもしれないと予想するためです。
まずは、外天体のアスペクトを作る時期を調べ、そこに内天体がアスペクトを作る時を絞り込みます。
アスペクトのオーブ
トランジットする天体のアスペクトですが、オーブはどのくらいなのかが、問題になります。
内天体と外天体では動きが異なりアスペクトする期間にも差があることから、天体によってオーブを設ける占術家が多いです。
例えば、冥王星は2度、海王星は3度、太陽は5度などです。
あくまでも一例として紹介しますが、私はトランスサタニアン(冥王星・海王星・天王星)についてはオーブを4度使用し、それ以外は全てサイン同士のアスペクトを使用しています。
トランジット法の注意点
たった一つのアスペクトが人生に大きな影響を与えることはあまりないという見解が一般的です。例えば、トランジットの月がネイタルの太陽にトラインを作っても、太陽が他の天体からよいアスペクトを受けていなければ、さほどよい期待はできないということです。
もし、木星のよいアスペクトがあってさらに月のよいアスペクトが作られたときに良い事が起こると期待をしてもよいかもしれません。しかし、幸運が降ってわいてくるという意味ではありません。もし、目的をもって行動をしたときに、その目的がかなうよい出来事が期待できるという意味ですので誤解のないように。
また、多くの占星術師が注意を促すのは、ネイタルに暗示されている事柄のみが起こるということです。いくらトランジットがよいアスペクトをとっていても、ネイタルに暗示がなければ何も起こらないということです。例えば、木星と太陽にアスペクトがなければ、例えトランジットの木星が太陽にアスペクトしても影響がないということです。(※これについては、確信がもてません。)
トランジット法を紹介している本
以下にトランジット法を紹介している和書を紹介します。リンクはプロモーションです。
鏡リュウジの占星術の教科書 II
鏡リュウジ (著)2018/12/10
前半は相性の占い方について説明があり、後半にトランジット法の説明があります。相性のボリュームの方が多いですが、トランジットについて分かりやすく説明されているので、おすすめです。巻末には無料で利用できるホロスコープの紹介もあります。
冥王星占星術
冥王星占星術―がんを予知!これが運命か (世界占星学選集 第 13巻)
福本 明代 著 2008/7
冥王星のトランジットとネイタルの天体がつくる個々のアスペクトの意味について解説した本です。冥王星は一番外側を運行する天体で動きが遅く、ネイタルの天体とアスペクトを作る期間が数年と長いため、その影響は大きいとされます。一体どんな影響があったのか、著者の経験も交え解説した本です。トランジットの冥王星のみに着目している点がポイントです。