正統 占星術入門/秋月さやか著
『増補改訂版 正統占星術入門』は、西洋占星術の基本を学びたい方向けの本です。基本的に学びたい事柄が網羅されています。本格的に勉強を始めるための1冊目に適した本です。
1995年に初版が出版され、その後、増補改訂版が2003年に出版されました。その差分は、2020年までエフェメリス(天文歴)が掲載されているのと、ドラゴンポイントの説明が少し変更になった点です。その他の項目に変更は見当たりませんでした。
『増補改訂版 正統占星術入門』のおすすめポイント
『増補改訂版 正統占星術入門』を読んで学習できるおすすめポイントを紹介します。
- アングルホロスコープ
アングルとは、ASC・MC・DEC・ICのことで軸とも呼びます。この本ではアングルホロスコープと呼んで、ASC・MC・DEC・ICの各サインの読み方を解説しています。ASCとMCの組み合わせではなく、ASCのサインの意味、DECのサインの意味という風に各4つのアングルのサインについて説明しているところが他の本と異なります。
- ドラゴンポイントとPOF
ドラゴンポイントとPOF(パートオブフォーチューン)のハウス在室について詳しい説明があります。ドラゴンポイントについては各サイン在室の意味についても書かれています。他の本ではないものなので、参考になると思います。
- アスペクト150度
第一種のアスペクトには、0,60,90,120,180の5種ありますが、150度も1種であるという占星術師は少なくないです。特に海外の本では150度が普通に使われているのをよく見かけます。その150度の説明がこの本にもあり、参考になります。また、各天体のノーアスペクトの説明もあります。
- ノーアスペクト
ノーアスペクトの天体について書かれています。太陽から土星までの説明です。
- 占星術の歴史
占星術の歴史や、トロピカル方式・サイドリアル方式など占星術を学習するうえで必要な事柄が書かれています。他の本には見ない情報量です。
『増補改訂版 正統占星術入門』の内容
『増補改訂版 正統占星術入門』で勉強できる内容を紹介します。1995年出版の本をもとに紹介してます。
- 占星術とは・歴史など:
あり。時と人類の歴史に焦点を当てて占星術の歴史について説明しています。
- 12サイン:
12サインは時とともに作り上げられてきた運命の領域だという考えの元、古代でどのように各サインが象徴されてきたのか書かれています。トロピカル方式とサイデリアル方式についても触れられています。
- サイン区分:
サイン区分については1ページほどの説明で詳しくはありませんが、簡単な説明のためイメージがつきやすいかもしれません。
- 10天体:
あり。各天体が歴史の中でどのように象徴されてきたのか説明されています。
- 感受点:
ASC、MC、DEC、IC、ドラゴンヘッド、ドラゴンテールと12サインの意味、そして、ドラゴンヘッド、ドラゴンテール、POFと12ハウスの意味について書かれています。
- アスペクト:
主要なアスペクトの説明と、天文暦から天体の位置を計算する方法やアスペクトの計算の仕方が書かれています。また、10天体について、2つの天体のアスペクト(合、衝、スクエア、トライン、セクステル、クインカンクスの6種類)が作る意味について解説があります。
- ハウス:
1室から12室の基本的意味から在室する天体がない場合の読み方まで詳しくあります。また、10天体が各ハウスに在室する意味も詳しくあります。
- ホロスコープの作成:
詳しく解説されています。
- 未来予知:
なし
- ホロスコープの解読:
なし
『正統占星術入門』には未来予知とホロスコープの総合的な解読法については掲載がありませんが、他の項目が充実しており、手元に置いておきたい1冊です。