ホラリー占星術

ホラリー占星術は、質問に対してYES,NOなどと、簡単に答えられる占術で、質問者の生年月日などは不要です。通常、個人の運勢などを占う際は出生図を使用しますが、ホラリー占星術では、質問された時間や、質問の出来事が起こった時間を使用してホロスコープを作成します。チャートの解読は出生図の解読とは異なり、ホラリー占星術独特の技法があります。
当ページでは次の内容でホラリー占星術を紹介してます。

ホラリー占星術で占えること

ホラリー占星術では、「失くした物がでてくるか」「あの人は戻ってくるか」などを、Yes・Noで答えたり、「どこにいるか」とか、「無くしたものはどこにあるか」など、「場所」や「方角」、そして「いつ」という質問にも対応します。

人間関係では、「相手はどう思っているのか?」「これから彼とどうなっていくのか?」など。例えば相手の誕生日が分からなくても、占うことができます。

その他、「今夜19:00から始まった試合はどちらが勝つか」「朝5時に打ち上げられたスペースシャトルは成功するか」など、スポーツの勝敗から選挙の勝敗まで占える内容は様々です。

ホラリー占星術の占い方

簡単ですがホラリー占星術を使った占い方をざっくり紹介します。

  • ホロスコープを作ります。
  • ハウスを決めます。
  • ハウス間の状態を見ます。
  • 総合的に判断します。

ホロスコープを作る

まずはホロスコープを作る必要があります。ここで問題となるのが、日時と場所です。

ホロスコープを作る際の時間・場所

出生図の場合は、生まれた時の時間と場所でホロスコープを作成します。ホラリーで「今夜19:00から始まった試合はどちらが勝つか」という質問の場合は、19:00と試合場所を使用してホロスコープを作成します。

ところが、ホラリーで失くしたものを占うときはどうすべきでしょうか?例えば、「ダイヤの指輪をどこかになくしてしまったが、どこにあるか?」という質問の場合。ホラリー占星術ではホロスコープの時間と場所を決めるのに、コツがいります。通常は、失くしたことに気が付いた時間や占ってみようと思った時間、質問の内容を理解した時間を使用します。

ハウスを決める

出生図の場合は、1ハウスが生まれた人そのものを表しています。ところが、ホラリー占星術で、「相手はどう思っているのか?」という質問の場合、「相手」が質問者とどういう関係なのかで変わってきます。通常は質問者が1ハウス。「相手」は夫なら7ハウス、友人なら11ハウス、恋人や好きな人なら5ハウスまたは7ハウスなど。

ホラリー占星術では質問に出てきた人や物がどのハウスに対応するか、まず先に決めなくてはいけません。

尚、月も質問者として使用されます。つまり、質問者を表すのは1ハウスと月になります。

ホラリー占星術とハウス

ホラリー占星術で占えることは、基本的には12ハウスの事柄に対応しています。個人の出生図とほぼ同じ意味になります。次のようなことが占えますが、これらは一例になります。

  • 1ハウス:質問者自身
  • 2ハウス:所有物
  • 3ハウス:兄弟・近隣・旅行・学習
  • 4ハウス:家庭・住居・不動産・母親
  • 5ハウス:恋愛・投機・ギャンブル・趣味
  • 6ハウス:病気・仕事場
  • 7ハウス:結婚相手・ライバル
  • 8ハウス:遺産・夫の持ち物
  • 9ハウス:外国・専門知識
  • 10ハウス:キャリア・父親
  • 11ハウス:友人・願望
  • 12ハウス:隠れたもの(敵や陰謀、災難など)

ハウス間の状態を見る

ハウス間の状態を見るためにまず、ハウスに在室する天体ハウスのルーラーを確認します。これらの天体の状態と、天体間が作るアスペクトを見ていくことになります。

天体の状態

ハウスに在室する天体とハウスのルーラーがどういう状態なのかを見ます。具体的には以下の項目になります。

  • 品位
  • 逆行か順行か
  • タイムやフェースなど(古典)
  • 動きの速さ(古典)

天体の品位や逆行にもホラリー占星術独特のルールがあります。通常、品位や逆行は、出生図のリーディングではあまり重要視されません。しかしホラリー占星術で、天体が質問内容を表している場合、品位が悪いと、状態が悪いと判断されます。また、逆行については、「意に反している」や「能力を発揮できない状態である」などという判断をします。
タイムやフェースは古典占星術で使用されるもので、全く使用しない占星術師もいます。天体の動きの速さも同様です。

天体間が作るアスペクト

アスペクトがホラリー占星術の重要な判断材料となります。そして、アスペクトを見る際には特別なルールがあります。

接近してるか離反か
出生図のリーディングで天体同士がつくるアスペクトを見るときは、オーブを考慮します。ところがホラリー占星術ではオーブではなく、接近か、離反かを考慮します。離反のアスペクトは過去の出来事として扱い、接近がこれから起こることとします。

逆行
関連する天体にアスペクトを作る前に逆行する場合や、アスペクトを作る前にサインを抜けてしまう場合、マイナスの状態を示しています。

アスペクトを作る天体
関連する天体にアスペクトを作る前に他の天体にアスペクトする場合、他の天体が邪魔をする事柄を示してます。

これは一例ですが、ホラリー占星術のルールとして細かい決まりがあります。
尚、使用するアスペクトの種類は第一種のみです。

総合的に判断する

天体の状態やアスペクトから総合的に判断します。ホラリー考案者のリリーはこの判断のための点数表を作ってました。
例えば品位が良ければ3点、逆行なら-1点など。すべてを足して点が高ければYES。そうでなければNO。など。客観的に判断してました。

ボイドタイムについて

ボイドタイムとは月が現在いるサインを抜けるまでどの天体ともアスペクトを作らない状態をいいます。詳しくはこちらのページで紹介してます。
ボイドタイム (void of course)

ホラリー占星術を行う上でボイドタイムは重要な要素です。ボイドタイムの基本的な意味「ボイド中に起こったことは無になる。」ということが利用されます。ホラリーの質問に対して「何も起こらない」「変わらない」という答えになります。

ただし、月の在室サインによっては、例外があると「ウイリアム.リリー(ホラリー占星術の考案者)」は言っています。
ボイドタイムについてはこちらのページを参考にどうぞ:ボイドタイム

その他の重要なルールて

ホラリー占星術では、質問に関連するハウスのみを使用して、その他は見ないというのが基本ルールです。また、同じ質問の占い間隔は最低でも3か月とされてます。

ホラリー占星術の勉強法

ホラリー占星術には特別なルールがありますが、考案されてから何百年も経過しています。その中で、少しずつ変化したり、独特のルールを設ける占術家もいます。

まずは、古典的なルールを学び、実際に起こった出来事と、ホロスコープを対比させ自分なりに解釈を編み出していくのが学習の方法かと思います。

ホラリー占星術の本をこちらにまとめました:ホラリー占星術の本

ホラリー占星術に似た占星術でイレクショナル占星術というものがあります。ホラリー占星術は起こった事に対して占うものですが、イレクショナル占星術は「これから事を起こす場合いつがよいか」最適な日時を選択するための占いです。別途ページを設けていますので、そちらを参考にどうぞ:イレクショナル占星術

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