「ボイドタイム」は失敗しやすい時間帯?注意すべき時間と過ごし方

ボイドタイムとは、西洋占星術で使われる言葉です。ボイドタイム中に始めたり決めたことが、後になると、「キャンセルになったり」「失敗に終わったり」「間違いが見つかった」など、判断の誤りが多く報告されたことから、重要視されるようになりました。

ボイドタイムは英語表記で「void-of-course(ボイド・オブ・コース)」、日本語ではボイドタイム、またはボイドと呼んでいます。このページではボイドタイムについて以下のことを詳しく紹介しています。

ボイドタイムになる条件:メカニズム

ボイドタイムというのは、天体がある星座を抜けるまでに他の天体と全くアスペクト(メジャーアスペクト)をつくらない時間帯をいいます。

天体というのは、占星術で使用する10天体で、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星です。月が最も動きが速く「ボイドを作るのは月」といっても過言ではありません。ボイドタイムは、月の動きから探し出すのが一般的です。

メジャーアスペクトは0,60,90,120,180度の5種です。150度もメジャーアスペクトとして扱う占術家もいるようです。しかし、ボイドタイムが発見された当時のメジャーアスペクトは上記の5種でした。

月が次の星座に入ったとたんにボイドタイムが終了します。月は1星座を2、3日程度で運行しています。1か月に約12星座を巡っているので、1か月のうち12回ボイドタイムがやってくることになります。

また、ボイドタイムの期間は1分で終わったり、2日間だったりとまちまちです。

ボイドタイムの影響

ボイドタイムは人の判断を狂わせる

ボイドタイムは人間の思考や感情に関連があるようです。ボイドタイムの間に決めたことはほとんどといっていいくらい、無効になってしまいます。そのため、この時間中は、取り消しのできないことは決定しないようにと言われています。

個人的には、メールの読み間違えや勘違いが多く、気がつくとボイドタイムだったということが多くあります。ボイドタイム中に旅行の予約をいれて、結局後でキャンセルということも多くありました。

判断の誤りはありますが、一方で良い側面もあります。

ボイドタイムは想像力が活発になる

ボイドタイム中は想像力が活発になるとも言われています。そのため、名案だと思い行動に移してしまいがちです。そして、ボイドタイムが終わると、名案が「愚案」だと気が付きます。

17世紀の占星術家ウィリアム・リリーは「ホラリー占星術」を考案したことで有名ですが、彼は、ボイドタイムに相談を受けたときは全て断っていたそうです。なぜかというと、相談内容や自分の判断が「ぶれ」て、実際に起こった結果が占いとは全く違ったことが多かったということです。

既に17世紀には知られていたボイドタイムは、廃れることなく現代に引き継がれています。それだけボイドタイムというのは何かがある時間になります。

ボイドタイムはどうすればよいか

それでは、ボイドタイムのときはどう過ごせばよいのでしょうか?

注意と確認を十分に行いながら ボイドタイム以前に決めたことを行う

ボイドタイムのときは、感情や思考が活発になり、いきなりとんでもない考えが浮かんできて、新しく何かを始めたりすることがあります。そうではなく、ボイドタイム以前に決めていたことや、毎日行っているいつものことをいつも通りに行っていれば問題ありません。

ボイドタイムは人間に影響があるだけで、例えば、「何もしていないのに機械が急に止まる」という摩訶不思議な現象が起こる時間ではありません。

ボイドタイム中はよく確認するなど注意深くなれば、問題はありません。自分だけでなく、相手も間違っていないか確認する必要はあるので、この時間帯に発表されたデータなどは、よく確認するのがいいのです。

ボイドタイム中に推奨される過ごし方:
  • 日常業務を淡々とこなし、注意力を欠かないよう心掛ける
  • 創造力やアイデアを自由に広げる時間にする
  • いつも行っていることに集中し、新しいことは控える

ボイドタイム中の注意事項

以下にボイドタイム中のできれば避けたい行動をまとめました。取り消し、キャンセルがいつでもできる事柄については避けなくても大丈夫です。

ボイドタイム中に避けるべき行動:
  • 重要な決定はだめ:会議は×。もちろん契約も避けたい
  • 面接・見合い・結婚・離婚・入籍:これらも人生の重要な決定のため避けたい事柄
  • 結婚式・引っ越し・開業・祝い事など:取り消しができない事柄のため避けたい事柄
  • 何かの日取りを決めること。例えば旅行など。
  • 裁判や弁護士に相談することなど。
  • 高額な買い物。例えば車や、株式など。後でキャンセルできる買い物は可。

ボイドタイム中の影響は月の位置によっても変わる

ボイドタイム中は、月の位置によって影響が変わると言われています。例えば、月が牡羊座にあるときにボイドタイムに入ると、「せっかちな判断」が起こりやすくなります。特に牡羊座の人、または蟹座、天秤座、山羊座の人はその影響を受けやすく、思慮不足な行動を取りがちです。反対に、獅子座や射手座は比較的影響を受けにくいと言われています。

ボイドタイムを見つけるには

ボイドタイムを見つけるには、天文歴が必要ですが、ホロスコープソフトの「新版 Stargazerで体験するパソコン占星学」では、瞬時に一覧を画面とファイルに出力してくれます。過去、未来のボイドタイムを自由に調べたい場合は、お勧めです。

また、Astromiruの公式Xでボイドタイムを配信予定です。公式X

ボイドタイムについて書かれた本

日本でボイドタイムについて書かれて出版された本は数える程度です。

ボイド占星学

Amazon(PR):ボイド占星学1985/12/1 石川 源晃 (著)

「ボイド占星学」は、ボイドについてのみ書かれた本です。出版は古いですが、ボイドについて1冊の本にまとめられています。より研究したい人には必読かもしれません。

応用 占星学入門

Amazon(PR):応用 占星学入門―ホロスコープの実際と応用1994/7/1 石川 源晃 (著)

一部ですが、ボイドの解説があります。ルールと実例、チャートの解読法について細かく説明されています。

占星学ベスト・テキストブック―職業占星術

『占星学ベスト・テキストブック』は6人の著者が執筆している本です。一番最初の章にボイド占星学についての記事が掲載されています。占星術で職業や適職選択などを研究をしたいときは、一石二鳥です。

まとめ:ボイドタイムを賢く乗り越えるために

ボイドタイムは、特に判断が求められる重要な決定や予定には適さない時間帯です。しかし、創造的なアイデアを出したり、既存の作業に集中したりするには良い機会とも言えます。失敗や誤りを防ぐために、ボイドタイムを把握して上手に使いこなしましょう。