ホラリー占星術の本：独学で占星術を学ぶ
ホラリー占星術は、17世紀にイギリスのウィリアム・リリーという人が考案しましたが、その後の占術に大きな変化はなく現代にまで継承されています。現在も17世紀に執筆された『クリスチャン・アストロロジー』がホラリー占星術のバイブルとなっています。
クリスチャン・アストロロジー
『クリスチャン・アストロロジー』は2018年に和訳され出版されています。2冊あり、第1書＆第2書がホラリー占星術の解説書になってます。
ただ、17世紀に書かれた本のため古典占星術の理解がないと難しい局面があります。
ホラリーアストロロジー/宿縁と占星学
日本で初めて出版されたホラリー占星術の本が（恐らく）「ホラリーアストロロジー/宿縁と占星学：訪 星珠 著 」だと思います。1986年出版のこの本は、現在みかけることはありません。当時の値段は7000円くらい。B5判サイズで132ページ。現代占星術にアレンジして説明されていて、古典占星術の大半は省かれています。
古書店で見かけたら購入をお勧めします。『クリスチャン・アストロロジー』で書かれているルールをざっくり簡潔にまとめたような内容で分かりやすく、1つ目の本としておすすめです。
前半はホラリーの基本ルールと38の実例が掲載されています。
後半はノードの解釈について細かく説明があり、「霊感と星のかかわり」というタイトルがついています。
「ホラリーアストロロジー/宿縁と占星学」の中でルールと実例以外に興味深いのは、外国で出版されているホラリー占星術の本の紹介と、その一部の方法を使用した実例です。
７冊程紹介されていますが、ウィリアム・リリーの基本的な公式はこの本の出版当時も変わっていないと言及されています。氏によれば、ホラリー占星術とは事件の原因・推移・結果を予測する方法とのことです。
驚異の実用占星学 (アメリカ占星学教科書)
現代占星術に適応させたホラリーの本が、「驚異の実用占星学」です。洋書の「The Only Way to Learn About Horary and Electional Astrology」を翻訳した和書です。洋書は1994年に出版され大人気となり、その後2009年に再出版されました。
ホラリーのルールと判断に関する制限事項が約20項目にわたって説明されています。上記の「ホラリーアストロロジー/宿縁と占星学」のルールと重複するものもあれば、ないものもあります。
占星術の基礎的な学習が終了していることが前提になると思います。１２サイン・１２ハウス・１０天体・ルーラー・ASC,MC・アスペクト・逆行 について理解しているとリリーの本よりも読みやすいです。
「驚異の実用占星学」には、リリーの古典的ルールが通用せず、半分は省きさらにブラッシュアップしたと紹介されています。
「驚異の実用占星学」の原書は、日本でも入手でき和書よりも安価です。
モダンホラリー占星術
上記「驚異の実用占星学」と同じように、古典ルールをベースにアレンジして自己流のホラリー占星術を見出して紹介しているのが「時を読み、未来を見通す モダンホラリー占星術 2023/2/1出版、和泉茉伶(原著)」です。
本文は大きな文字で見やすく、説明も初級者を意識しているようで、分かりやすいです。一通り占星術の基本について勉強をした後、ホラリー占星術を学ぶ最初の一歩に。その次に上記の「驚異の実用占星学」を読むとよいかもしれません。
ホラリー＆イベント占星術
「ホラリー＆イベント占星術 2009/7/1出版、藤森 緑 (著)」は、「ホラリーアストロロジー/宿縁と占星学」を意識した内容です。こちらも、古典占星術の大半は省かれ、現代占星術にアレンジされています。冒頭部分のホラリーの基本ルールの説明は簡潔で分かりやすいです。
独自の占法で、ホラリーとイベントチャートの違いとルールについて述べ、それを元に34の実例を占術しています。
後半にはざっくりですが、イレクション占星術の説明もあります。付録の、雑誌などで掲載する占いについてどのように占っているのか「12星座の運勢の出し方」も興味あるコラムで、実践的です。
ホラリー占星術
1990年出版の「ホラリー占星術（いけだ 笑み 著」は古典的ルールを用いたホラリー占星術の手引書です。現代占星術にはない、細かいルールを紹介しています。ボリュームがあるので最初の1冊には向かないかもしれません。
洋書ですが、「ホラリー占星術」のように、古典占星術でホラリーを解説している本が「Horary Astrology Rediscovered: A Study in Classical Astrology」です。
古典的ホラリー占星術をさらに勉強したい場合にどうぞ。
ホラリー占星術を独学するために
当ページで紹介させていただいた他にもたくさんのホラリー占星術の本が出版されています。まだ読んでいない本がありますので、紹介していない本がお勧めではないというわけではありません。
ホラリー占星術はたくさん本を読んで、実践を積み重ねていく学習方法がおすすめです。
ホラリー占星術の本を読む際は、古典占星術のルールが採用されているのか、それとも独自ルールなのかという点にも注意してください。そして、何冊か読んで、実践の中から自己流のホラリー占星術を見出してもらえたらと思います。
また、何冊かの本を読み、独学では難しいと感じたら、スクールなど受講してみてはと思います。その際は、疑問をまとめておくことよいと思います。