マンデン占星術の基本|経済・政治・気象を読み解く占星術
マンデン占星術とは、経済、政治、気象など、個人ではなく社会全体の動向を占う占星術の手法です。この無料講座では、マンデン占星術のホロスコープの読み方や、ハウス・天体の解釈方法を学び、社会の未来や重要な出来事を予測する方法を学習します。

- マンデン占星術の歴史的背景と解読法
- 最初のステップ:マンデンホロスコープの種類
- マンデンホロスコープの作成:場所の選定
- マンデン占星術のハウスの意味
- マンデン占星術の天体の意味
- まとめ:マンデン占星術の基礎
マンデン占星術の歴史的背景と解読法
「マンデン(Mundane)」はラテン語の「Mundus(世界)」に由来し、国家や社会の未来を予測する占星術として発展してきました。歴史的には、戦争や経済の変動、政治的な出来事を占うために使用され、王国や国の運命を占うことが一般的でした。古代から現代まで、重要な歴史的出来事を予測するために利用されてきた、非常に古くから存在する占星術の一分野です。
マンデン占星術の解読方法は、出生占星術と基本的には同じですが、占うテーマに応じて「時間」と「場所」の設定が重要なポイントです。例えば、出生占星術が個人の誕生日時を基にホロスコープを作成するのに対し、マンデン占星術では「国や地域の誕生」「特定の現象が発生する日時」などを基にホロスコープを作成します。
特にマンデン占星術で重視されているのが、次のセクションで紹介する5種類のホロスコープです。これらは社会や国全体の未来を予測するために不可欠なツールとなっています。
最初のステップ:マンデンホロスコープの種類
「マンデン占星術」で使われるホロスコープには、始原図、四季図、月相図、イングレス図、会合図があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
マンデンホロスコープ1:始原図(出生図)
始原図とは、国や組織の誕生時間をもとに作成するホロスコープです。始原図で問題となるのは、国がいつ誕生したのか定義しがたいことです。
例えば日本の場合、少なくとも3つ異なる始原図が存在します。
さらに歴史が古い場合、1500年前後の日付の場合ですが、その日付が21世紀で使われているグレゴリオ暦の日付か、ユリウス暦の日付なので日にちが変わってきます。また、国によって改暦日も異なってきます。
このように始原図を作るのが難しい場合は、次の四季図や月相図が用いられます。
マンデンホロスコープ2:四季図
四季図とは、春分・夏至・秋分・冬至時のホロスコープのことです。それぞれ、太陽が牡羊座0度、蟹座0度、天秤座0度、山羊座0度に位置する正確な時間で作ったホロスコープの事を四季図と呼びます。
マンデンホロスコープ3:月相図
新月、上弦、満月、下弦など、月の位置に基づいたホロスコープです。
- 新月:太陽と月が合
- 上弦・下弦:太陽と月が90度
- 満月:太陽と月が180度
月相図の中でも新月と満月のとき月蝕、日蝕になるときは特に重視されます。その効力も見解が分かれますが、日蝕は3年~4年と影響度が高いとする意見が多いです。
マンデンホロスコープ4:イングレス図
天体が特定のサイン(星座)に入る瞬間で作成したホロスコープです。特に土星から冥王星の外天体のイングレス図が用いられます。
外天体の星座在室期間
各天体がどのくらいの期間ひとつの星座に在室するか以下に示します
- 土星:政治・2.5年
- 天王星:科学・7年
- 海王星:流行・14年
- 冥王星:戦争・12年~15年
マンデンホロスコープ5:会合図
土星と木星、土星と天王星など、外天体の会合や衝の時期のホロスコープです。外天体の会合図は全部で10種あります。天体同士の合の周期は次のようになっています。
外天体が作る会合図の種類
- 木星と土星:約20年
- 木星と天王星:約13年
- 木星と海王星:約13年
- 木星と冥王星:約12年
- 土星と天王星:約45年
- 土星と海王星:約36年
- 土星と冥王星:約36年
- 天王星と海王星:約170年
- 天王星と冥王星
- 海王星と冥王星
中でも、木星と土星の合は20年おきに起こり、経済(木星)と政治(経済)の節目となる時期として注目されています。最近この現象が起こったのは2020年のコロナ禍が起こった時です。この時は、日蝕も重なり社会構造が大きく変わりました。
補足事項:会合図は2つの天体が合を作る瞬間をホロスコープに表したチャートですが、その他に90度、180度も作り、全体の大きな流れなどを読む方法がよく用いられています。
どのホロスコープを使うか?
占星術家によっては、1つのホロスコープだけでなく、複数のホロスコープを組み合わせて使うこともあります。特に決まりはなく、目的に応じた柔軟な使い方が可能です。
どのホロスコープを使用するかは、占う期間に応じて決まります。例えば、「1週間の株式市場」を占う場合、短期間の予測には月相図が使われます。
四半期の予測には四季図を、1年の予測には4つの四季図を使用します。
さらに、長期間の予測には外天体のイングレス図や会合図が利用されます。
マンデンホロスコープの作成:場所の選定
次に場所の選定について説明します。
会社を占う場合はその会社の本社の住所、国の場合は首都になります。とろこが、日本のように首都がない場合はどうしたらよいでしょうか?
石川 源晃氏(占星術家)は、著書の「演習占星学入門: ホロスコ-プの考察と演習」の中で日本の場合は「国会」の緯度経度を使用すると言及されています。
上記のことを踏まえると、例えば、千葉県の景気を占いたい場合、場所は県庁所在地ということになります。
まずは、場所を特定して四季図や月相図などのホロスコープを作成します。
マンデン占星術のハウスの意味
どのマンデンホロスコープを使うにしても、解読法は同じです。出生図の解読と異なるのがハウスの意味になります。以下は国のホロスコープを解読する際のハウスの意味です。
- 1ハウス – 国の全体像・国民の状態
国家や地域の全体的な状況や国民の健康状態、国の第一印象やイメージを示します。
- 2ハウス – 国家の財政、資源、経済
国の財政状況や経済、資源、国富、物価、国民の生活水準を表します。
- 3ハウス – 通信、交通、教育、メディア
国内の通信網、交通手段、教育、メディアや報道、近隣諸国との関係を示します。
- 4ハウス – 国土、農業、気候、自然資源
国土、農地、不動産、気候、地理的な特徴、国の基盤となる資源などが関連します。
- 5ハウス – 娯楽、文化、教育、若者
娯楽産業、文化活動、教育機関、若者や子どもに関する事柄、またスポーツやレジャーも含まれます。
- 6ハウス – 労働者、軍事、公共衛生
労働者の状況、軍隊や警察、公共サービスや衛生状態、労働環境を示します。
- 7ハウス – 外交関係、他国との協定や敵対
外交関係、貿易、他国との同盟や敵対関係、戦争や紛争の可能性に関連します。
- 8ハウス – 他国からの資金、税、災害
他国からの借款、財政援助、税制、国の危機的状況、死や災害、犯罪などが関連します。
- 9ハウス – 宗教、法律、教育、海外
宗教、法律、国際法、大学や高等教育、外国との交流や遠方の出来事を示します。
- 10ハウス – 国家のリーダー、政府
国のリーダー(首相や大統領)、政府の運営、国家の評価や威信、社会的地位などが含まれます。
- 11ハウス – 国会、議会、同盟国、社会福祉
議会や国会、社会的な改革、同盟国、協力機関や組織に関連します。
- 12ハウス – 秘密、犯罪、刑務所、病院
福祉制度、秘密事項、陰謀、犯罪、刑務所や病院などの収容施設、または国の潜在的な問題や苦境に関わります。
株式市場や金融市場の動向を占う場合
その国の株式市場や金融市場の動向を占う場合、2ハウスを中心に占うことになりますが、補足として、5ハウス(投機や投資活動)と、8ハウス(他国からの資金や財政援助)も考慮します。
会社を占う場合
会社を占う場合も同様にハウスの具体的な意味が変わってきますが、基本となるものは同じです。例えば1ハウスはその会社の傍から見た状態、2ハウスは会社の資産状況を示します。
マンデン占星術の天体の意味
マンデン占星術では天体の意味も解釈が変わります。例として国のマンデンホロスコープ中にある天体の意味を紹介します。
- 太陽 – 国家のリーダー、中心的な存在
政府やリーダー(大統領や首相)、国家のアイデンティティや威信、国の目標や方向性を示します。
- 月 – 国民、民衆の感情
一般市民、国民の生活や感情、社会全体のムードや動向を象徴します。特に女性、家庭、日常生活に関連します。
- 水星 – 通信、交通、貿易
ディアや情報の流通、通信や交通網、商業、貿易、教育、知識や知性に関連します。外交活動やビジネス交渉にも関係します。
- 金星 – 文化、芸術、経済的な安定
芸術や文化、経済の安定、豊かさ、国の美的価値や調和に関係します。また、外交や同盟関係、国民の生活の充実を示すこともあります。
- 火星 – 軍事、戦争、争い
軍事活動、戦争や紛争、国内の争いごとや労働運動、緊張感や攻撃性に関連します。国家の防衛力や戦闘力も象徴します。
- 木星 – 法律、信仰、繁栄
国家の法律、司法制度、宗教や哲学、教育、成長、繁栄に関わります。木星はまた、対外関係や貿易を拡大させる力も持ちます。
- 土星 – 制限、伝統、安定性
国家の構造や伝統、規律、安定性を示します。経済における抑制的な力や政府の管理体制、困難や試練の象徴でもあります。
- 天王星 – 変革、革新、技術
革新的な技術、変化、革命、社会改革や急激な出来事、または異常気象などを象徴します。反体制や新しい価値観を促す力も持ちます。
- 海王星 – 理想、幻影、混乱
理想主義、宗教、幻想、詐欺や陰謀などを表します。社会の曖昧さや混乱、不透明な事柄、スキャンダルにも関連します。
- 冥王星 – 再生、権力、支配
国家の再生、根本的な変革や終焉と新たな始まり、権力や支配構造に関係します。また、危機的状況や重大な変化を象徴します。
マンデンホロスコープ中の天体の解釈
例えば、マンデンホロスコープの10ハウスに冥王星が在室している場合、どのように解釈すれば良いでしょうか?凶星が在室しているからと言って、「危機的状況や重大な変化」が起こるとは限りません。次のことを考慮して占います。
- アスペクトを確認する 凶星が在室していても、吉星の影響や他の良好なアスペクトがあれば、困難の中にあっても解決策が見つかる可能性を示唆します。
- 異なる解釈もある 冥王星には「危機的状況や重大な変化」の他に、「根本的な改革が求められる状況」「再生や新しい方向性の創出」など異なる解釈もできます。そのため、そのハウスの冥王星の状態(品位・アスペクト)をよく見る必要があります。
- 時期や長期的影響の考慮 凶星の影響は、一時的なものなのか、あるいは長期的に作用するものなのかも考慮します。
まとめ:マンデン占星術の基礎
マンデン占星術で経済や政治を占うための基礎についてご紹介しました。マンデン占星術では、次の3つのステップを踏んで占います。
- どのホロスコープを使うのか決める
- 占う場所を決める
- ハウス、天体、アスペクトを考慮し解読する
解読においては、マンデン占星術で使用されるハウスと天体の意味を基に解釈します。
以上で、マンデン占星術の無料講座は終了です。さらに深く学びたい方には、1対1で学べるオンライン講座や、専門書をご案内しています。
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