【応用】占星術講座10-1:トランジット法(実占)

西洋占星術で未来予測を勉強するイメージイラスト

― 外的出来事・環境の変化を読む未来予測技法 ―

トランジット法は、現在の天空の天体(トランジット)が出生図(ネイタル)にどのような影響を与えるかを読み解く技法です。 外的な出来事、環境の変化、人生の節目を読み解くために欠かせない、未来予測の中心となる方法です。

応用編では、未来予測の主要技法である「トランジット法」を本格的に学びます。 入門・基礎編では触れていない、トランジット天体とネイタル天体の関係、 アスペクトやハウス通過を使った実占的な読み方を段階的に習得していきます。

🌟 トランジット法の基本

トランジット法では、次の2つを中心に読みます。

  • トランジット天体がどのハウスを通過しているか
    (どの分野で起こるか)
  • トランジット天体がネイタル天体にどんなアスペクトを作るか
    (どんな出来事か)

ハウスは「場所」、アスペクトは「出来事の種類」を示します。 この2つを組み合わせることで、未来のテーマや出来事の傾向を読み解くことができます。

🌟 トランジット天体とネイタル天体の意味

🔵 トランジット天体の意味(外的出来事)

トランジット天体は「外からやってくる出来事・人物・環境」を象徴します。

トランジット天体の意味
  • t太陽:重要な人物(上司、父親など)、注目される出来事や新たなスタート。
  • t月:女性(母親、パートナーなど)や感情に関する出来事。身近な変化。
  • t水星:通信、情報、契約。会話やニュースなど、考え方に影響する外的要因。
  • t金星:愛情関係、友情、お金に関する出来事。和やかな人間関係や趣味。
  • t火星:競争、対立など積極的な行動が求められる場面。エネルギッシュな人物。
  • t木星:拡大や発展をもたらす出来事。学びや旅行、恩師など、成長に関連する人物。
  • t土星:責任や制限、長期的な課題。権威者、または試練として立ちはだかる存在。
  • t天王星:予想外の変化や独自性。変革をもたらす出来事、革新性を持つ人物。
  • t海王星:曖昧さ、夢、幻影、またはスピリチュアルな出来事。幻想や不確実な要素。
  • t冥王星:徹底的な変容、終焉と再生。権力や強制的な影響を及ぼす存在。

🔴 ネイタル天体の意味(内的テーマ)

ネイタル天体は「その人の内面・人生テーマ」を象徴します。

ネイタル天体の意味
  • n太陽:自己、自己表現、目的意識、生命力。人生の目標や中心的なテーマ。
  • n月:感情、無意識、家庭環境。安心感や本能的な反応。
  • n水星:知性、思考、コミュニケーション。情報の取り扱いや学びに関するテーマ。
  • n金星:愛情、美、調和。恋愛や人間関係、価値観。
  • n火星:行動力、意志、競争心。積極性や決断力、エネルギーの方向。
  • n木星:拡大、成長、幸運。学びや発展、理想に関するテーマ。
  • n土星:責任、制約、努力。忍耐や達成に向けたテーマ。
  • n天王星:独立、変革、自由。革新や新しい可能性を求める心。
  • n海王星:夢、直感、スピリチュアルな価値観。理想や想像力の世界。
  • n冥王星:変容、再生、潜在的な力。徹底的な変化や、根源的な欲望。

🌟 トランジット × ネイタル天体のアスペクト(実占の中心)

トランジット天体(外的出来事)がネイタル天体(内的テーマ)にアスペクトを作る時が、 「外からの出来事が内面に影響する」 タイミングになります。

例:t太陽 × n太陽(合)

– 重要人物・注目される出来事(t太陽)が
– 自己・目的意識(n太陽)に影響
→ 新しいスタート、注目、方向性の変化
と読みます。

💡実際に起こる出来事は予想できませんが、トランジットでは、傾向や変化のタイミングを占うことができます。

例:t天王星 × n金星(ハード)

– 予想外の変化(天王星)
– 愛情・人間関係(金星)
→ 恋愛の急展開、別れ、価値観の変化

💡アスペクトは「どんな出来事か」を示すため、 トランジット法の中でも最重要ポイントです。

🌟 トランジット天体のハウス通過(応用)

トランジット天体がどのハウスを通過するかで、 「どの分野で出来事が起こりやすいか」 がわかります。

例:t木星が10ハウスを通過

→ キャリアの発展、評価、成功

例:t土星が7ハウスを通過

→ パートナーシップの試練、責任、関係の見直し

例:t天王星が4ハウスを通過

→ 家庭環境の変化、引っ越し、家族の変化

🌟 二重円の作り方(実占用)

未来予測では、出生図(内円)とトランジット(外円)を重ねた 二重円(ダブルチャート) を使います。

当講座では、無料でホロスコープにトランジットを表示してくれるオンラインサービスを利用して説明します。

MyAstroChart:MyAstroChart

上記のサイトにアクセスして、画面上部の『ホロスコープ設定』から『二重円』を選択します。

上部の内円には、出生日時を入力していきます。出生時の入力方法は、こちらのページで細かく紹介していますので参考にしてください。

占星術のホロスコープの作成をイメージしたイラスト
【入門】占星術講座6:ホロスコープの作成方法1

ホロスコープとは、ある場所のある時間において、天体が地球から見てどの位置にあるかを図に示したものです ...

次に、画面下部の「外円」に占いたい時点を入力していきます。トランジットの場合は、ASCやMCを使うことがないため、場所を細かく指定しなくても大丈夫です。国内にいるならデフォルトのままでも大丈夫です。

全て入力して、「二重円を作成(アスペクト表示付き)」をクリックすると次のようなホロスコープが作成されます。

トランジットのホロスコープと出生のホロスコープを表示した二重円のホロスコープ

内側(Inner Circle)がネイタル(出生図)、外側(Outer Circle)がトランジットです。このサイトの二重円ではホロスコープ中にアスペクトや位置情報が表示されません。位置情報はホロスコープの下に出力されます。
💡各感受点の位置の横の「R」は逆行を示しています。

トランジットと出生天体の位置一覧

アスペクトはその下に出力されます。トランジットで注目するのは、外天体です。下のアスペクト一覧で、「注目ポイント」に丸を付けました。

トランジット天体と出生天体のアスペクト一覧

🌟 トランジット法の実占手順(応用)

手順1:外天体から読む

冥王星・海王星・天王星・土星・木星など、動きの遅い天体から読みます。 これは人生の重要な出来事に結びつきやすいからです。

手順2:複数のトランジットが重なる時期を探す

外天体がネイタル天体にアスペクトを作っている時期に、 内天体が同時にアスペクトを作ると、出来事が現実化しやすくなります。

手順3:ハウス通過で「どの分野か」を特定する

ハウスには幅広い意味があり、解釈には注意が必要ですが、傾向として読み取ることができます。

手順4:アスペクトで「どんな出来事か」を読む

アスペクトの種類が出来事の傾向や強度を示します。

手順5:プログレス法と組み合わせて精度を上げる

💡未来予測でよく使用される「プログレス法」は次の講座で学習します。

🌟 トランジット法の注意点

アスペクトについて

トランジット法で気をつけたいのは、たった一つのアスペクトが人生に大きな影響を与えることは稀であるという点です。たとえば、トランジットの月がネイタルの太陽にトラインを形成しても、n太陽が他のトランジット天体から良いアスペクトを受けていない場合、期待通りの良い結果は得られないことが多いです。t月だけのアスペクトの影響は微々たるものです。

アスペクトのオーブについて

トランジットする天体のアスペクトで、オーブ(角度の許容範囲)は重要なポイントです。内天体と外天体ではその動きやアスペクトの持続期間が異なるため、占術家によって異なるオーブを設定することがあります。

例として、冥王星は2度、海王星は3度、太陽は5度のオーブが一般的です。しかし、オーブには決まりがありません。

🌟 参考書籍

トランジットする天体が作るアスペクトや、通過するハウスの意味についてさらに深く理解したい方は、ぜひ関連書籍を参考にしてください。これらの書籍では、各天体の影響やアスペクトの解釈、ハウスの象徴的な意味合いについて詳しく解説されています。占星術を学び、実践する上での貴重な情報源となるでしょう。

鏡リュウジの占星術の教科書 II

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前半は相性の占い方について説明があり、後半にトランジット法の説明があります。相性のボリュームの方が多いですが、トランジットについて分かりやすく説明されているので、おすすめです。巻末には無料で利用できるホロスコープの紹介もあります。

冥王星占星術

『冥王星占星術』は冥王星のトランジットとネイタルの天体がつくる個々のアスペクトの意味について解説した本です。冥王星は一番外側を運行する天体で動きが遅く、ネイタルの天体とアスペクトを作る期間が数年と長いため、その影響は大きいとされます。一体どんな影響があったのか、著者の経験も交え解説した本です。トランジットの冥王星のみに着目している点がポイントです。

講座の終わりにあたって:トランジット法

本講座では、重要な未来予測法の一つであるトランジット法について学習してきました。個人の未来を読み解く際には、トランジット法だけでなく、次の講座で扱うプログレス法と併用することが一般的です。両者を組み合わせることで、より立体的に時間の流れを捉えることが可能になります。引き続き、次のページでプログレス法について学習を進めていきましょう。

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