【入門】占星術講座10:西洋占星術で学ぶ未来予測の技術

未来予測の技術とは?

占星術の基本として学習する未来予測には、『トランジット法』と『プログレス法』があります。この2つの技法は、古来から存在し、長年にわたって使用されてきた信頼性の高い方法です。

当講座では、『トランジット法』の基礎を学習します。占星術での未来予測技法がどのようなものか体験してみましょう。

西洋占星術で未来予測を勉強するイメージイラスト

トランジット法とは?

トランジット法とは、今現在天空を移動している天体の位置と、出生図(ネイタル)の天体位置を比べて、未来を予測する方法です。

今現在、天空を移動している天体の事を「トランジット天体」や、「トランジットする天体」と呼びます。出生図(ネイタル)の天体と、トランジット天体を区別するために、次のような記号を使います。

トランジット・ネイタル天体の記号

トランジットの太陽:t

トランジット天体の前にアルファベットの『t』または『T』をつけます。

トランジットの太陽:n

出生図(ネイタル)の天体の前にアルファベットの『n』または『N』をつけます。

トランジットの調べ方

トランジット法で未来を占うには、まず、占いたい日の天体の位置を調べます。次のサイトにアクセスして、画面上部の『ホロスコープ設定』から『二重円』を選択します。

MyAstroChart:MyAstroChart

画面上部に「INNER CIRCLE (内円)」、その下に、「OUTER CIRCLE (外円)」が表示されています。

「INNER CIRCLE (内円)」は、ホロスコープを作成した時と同じようにあなたの誕生日の情報を入力します。

「OUTER CIRCLE (外円)」には、占いたい日の情報を入力します。ここでは学習用に、出生図よりも過去の日付を入力してください。場所は細かく指定しなくても大丈夫です。国内にいるならデフォルトのままでも大丈夫です。

全て入力して、「二重円を作成(アスペクト表示付き)」をクリックすると次のようなホロスコープが作成されます。

トランジットのホロスコープと出生のホロスコープを表示した二重円のホロスコープ

内側(Inner Circle)がネイタル(出生図)、外側(Outer Circle)がトランジットです。2つのホロスコープで構成されているため、このホロスコープは二重円と呼ばれます。

ホロスコープの下にも情報が表示されますが、この講座では使用しません。以上でトランジットで占う準備ができました。

トランジット天体の位置を確認する

トランジットでは、まずトランジットする天体が出生図(ネイタル)のどのハウスを通過しているのかを確認します。

二重円で注目するのは、外側(Outer Circle)の天体がどのハウスを通過しているかです。下の二重円の図で、★赤い星マークのある10のトランジット天体が、どのハウスを通過しているのか確認してみましょう。

トランジットのホロスコープと出生のホロスコープを表示した二重円のホロスコープ

例えば、1ハウスには、トランジット天体の土星と海王星が通過しています。

トランジットの天王星は3ハウスです。そして、トランジットの木星は4ハウスです。

このように、トランジットする10の天体がどのハウスを通過しているか確認しましょう。

トランジット天体がハウスを通過するときの影響

トランジット天体が出生図(ネイタル)のハウスを通過するとき、その天体の象徴するテーマが、そのハウスが示す分野に影響を与えます。これは、「どのような影響(トランジット天体)が、どの分野(出生図のハウス)で起こりやすいのか」を読み解く手がかりになります。

例えば、10ハウスは仕事やキャリアを示しますが、トランジットする天体によって次のような影響の違いがあります:

  • トランジット木星が10ハウスを通過 → チャンスが増え、昇進や成功の可能性が高まる。社会的な評価が向上し、目標を達成しやすい時期。
  • トランジット土星が10ハウスを通過 → 責任が増し、努力や忍耐が求められる。成果を出すために時間がかかるが、地道な努力が将来の安定につながる。
  • トランジット天王星が10ハウスを通過 → 予想外の変化が起こりやすく、転職や独立など、キャリアの方向性が大きく変わる可能性。

逆にトランジットする天体が与える影響は、ハウスによって変わります。例えばトランジット天体が土星の時は次のようになります:

  • 土星が4ハウスを通過 → 家庭や住環境に関する責任が増える時期。
  • 土星が7ハウスを通過 → 対人関係やパートナーシップにおいて、試練や責任を感じることが増える時期。
  • 土星が12ハウスを通過 → 内面的な課題と向き合う時期。孤独を感じたり、これまで無意識に避けていた問題が表面化することも。

このようにトランジットの天体は出生図のハウスに通過する間影響を与えます。尚、この影響の強弱や吉凶は、トランジット天体が出生図の天体と作るアスペクトによって変わります。詳細な占い方は、基礎編で学習します。

トランジット天体の基本的な意味

各トランジット天体が持つ影響の基本的な傾向を説明します。

  • t太陽:活気、注目
  • t月:感情、変化、不安
  • t水星:情報、学習、コミュニケーション
  • t金星:人間関係、愛情、楽しみ
  • t火星:行動力、挑戦、エネルギー
  • t木星:発展、幸運、拡大
  • t土星:試練、責任、努力
  • t天王星:変化、改革、自由
  • t海王星:夢、直感、混乱
  • t冥王星:変容、極端な影響、再生

例えば、トランジットの太陽は、通過するハウスの事柄に活気を与えたり、周囲からの注目を浴びます。

トランジットの月は、通過するハウスの事柄に感情が揺れやすかったり、不安定になったりします。

あなたの二重円を使って、実際にその時期にどのような変化があったのか、確認してみましょう。

例えば、トランジット木星が、どのハウスを通過していて、その時期に、そのハウスのことで、「発展、幸運、拡大」な出来事がなかったか確認してみましょう。

ひとつずつ確認し、検証していくことが未来予測の技術を向上させる近道です。過去の出来事と照らし合わせながら、自分なりのパターンを見つけることで、トランジットの影響を実感しやすくなります。まずは身近な出来事から振り返り、どの天体がどのように作用していたのか、実際に二重円を使って分析してみましょう。

講座の終わりにあたって

当講座では、トランジット法で未来を占うシンプルな方法を紹介しました。今回学んだハウス通過の影響を理解することで、未来の出来事を大まかに予測できるようになります。しかし、実際のトランジット法では、天体同士のアスペクトを考慮することで、より詳細な未来予測が可能になります。

続けて、基礎編の「占星術講座2:12のサインの解釈法を学ぶ」から順に学習し、サイン・ハウス・アスペクトの意味をさらに深く理解しましょう。各要素を組み合わせることで、より精度の高い占いができるようになるでしょう。

再度、入門講座2に戻り、復習してから基礎編に進んでも構いません。入門編では必須項目を学び、基礎編では占星術の基礎が学べます。引き続き、ゆっくりと、あなたのペースで進んでいきましょう。

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