【応用】占星術講座8:ホロスコープのハウスの奥深い解釈

占星術のホロスコープにおいて、ハウスは人生のさまざまな領域を象徴する重要な要素です。基礎講座では、各ハウスの基本的な意味を学びましたが、実占ではより深い視点からハウスを読み解くことが求められます。

占星術のハウスの勉強をイメージしたイラスト

この講座では、ハウスの応用的な解釈を解説します。ホロスコープのハウスをより立体的に理解し、実占に役立てることができるでしょう。

インターセプト

インターセプトとは、あるハウス内に1つまたは2つの星座が完全に収まり、その星座がカスプ(ハウスの始まり)にない状態を指します。

例えば、下のホロスコープのように、1ハウスの始まりが水瓶座、2ハウスの始まりが牡羊座になっている場合です。間にある魚座はまるごと1ハウスに収まっていてハウスカスプに現れてきません。

インターセプトのあるホロスコープ

真向いの7ハウスにもインターセプトができます。このインターセプトは、ハウス分割のプラシーダスによく見られ、珍しいことではありません。ただ、インターセプトに天体があると、ある傾向が見られることから重要視するようになりました。

インターセプトが持つ意味

インターセプトされた天体は、通常のハウスにある天体に比べて、そのエネルギーが自然に表面に現れにくい傾向があります。

上のホロスコープを例にすると、1ハウスの魚座にいる土星がインターセプトになっています。1ハウスの土星は、まじめで努力家な人を表しますが、魚座にあるため、自分を積極的に表に出すことは苦手です。やわらかくソフトなイメージを醸し出しつつ、内に秘めた努力を続ける人です。さらに、インターセプトされているため、このまじめさや責任感の強さ、努力家であるイメージはグッと抑えられ、周囲には分かりずらい傾向にあります。

対抗する7ハウスの金星はインターセプトされていないため、対人関係は積極的に交流を楽しむという通常の解釈ができます。

1サインに2つのハウスカスプ

インターセプトの他に、1つのサインに2つのハウスカスプができる場合があります。このケースは特別な意味は持ちません。ホロスコープの解釈は通常通り行います。

ハウスの新しい視点:派生的な意味を探る

通常のハウスの解釈では、各ハウスが個人の人生の特定の領域を表すと考えます。しかし、実占ではハウスの意味をさらに広げて解釈する方法があり、そのひとつが「派生ハウス(Derived Houses)」の考え方です。

派生ハウス(Derived Houses)

例えば、5ハウスは「子供」を象徴しますが、5ハウスを起点(1ハウス)とすると、そこから2番目のハウス(つまり6ハウス)は「子供の財産・所有物」として読むことができます。このように、特定の人物や事象を基準にしてハウスを再解釈することで、より細かい情報を読み取ることができます。

この派生ハウスの考え方は、特に ホラリー占星術やマンデン占星術 で頻繁に活用されます。例えば、ホラリーでは「行方不明のペットがどこにいるか」「質問者のパートナーの経済状況」などを詳しく分析する際に役立ちます。また、マンデン占星術では、政府の動きや国際関係を読む際にも応用されます。

ネイタル占星術では通常のハウス解釈が中心ですが、特定の人物や状況を細かく知りたいときに派生ハウスを用いることがあります。たとえば、7ハウスは「配偶者」を表しますが、そこから4ハウス目(10ハウス)を見ると「配偶者の親の状況」がわかる、といった応用が可能です。

こうした派生ハウスの考え方を学ぶことで、ホロスコープの解釈の幅が大きく広がります。本講座では、その基本的な概念と実占での活用法について解説していきます。

各占星術における派生ハウスの活用度

ホラリー占星術(質問占星術):★★★(最も多用)

ホラリーでは「質問者(1ハウス)」を起点に、探しているもの、関係者、結果を読む際に派生ハウスを多用します。例えば、「パートナーの財産」は7ハウス(パートナー)から見た2ハウス(=ネイタル8ハウス)として読む、といった応用がよく使われます。

マンデン占星術(社会・政治占星術):★★☆(よく使う)

政府(10ハウス)、財政(2ハウス)、同盟国(7ハウス)など、国家や社会の構造を派生ハウスで読み解くことができます。特に選挙や国際関係を読む際に有効です。

ネイタル占星術(出生占星術):★☆☆(限定的に活用)

ネイタルでは通常のハウス解釈が中心ですが、特定のテーマを深掘りする際に使われます。例えば、「配偶者の母親」は7ハウス(配偶者)から見た4ハウス(=ネイタル10ハウス)として解釈する、といった応用が可能です。

派生ハウスの具体例

派生ハウスは、特定の人物や状況に焦点を当てる際に非常に役立ちます。以下のようなケースで活用できます。

4ハウス(家庭・親)を起点とした場合

  • 5ハウス(4ハウスから見た2ハウス)→ 親の財産・所有物
  • 7ハウス(4ハウスから見た4ハウス)→ 親の住居や家族環境
  • 10ハウス(4ハウスから見た7ハウス)→ 親のパートナー(配偶者)

6ハウス(仕事・健康)を起点とした場合

  • 7ハウス(6ハウスから見た2ハウス)→ 職場の資産や財政状況
  • 9ハウス(6ハウスから見た4ハウス)→ 職場のルーツや創業者の影響
  • 11ハウス(6ハウスから見た6ハウス)→ 同僚や職場の仲間との関係

10ハウス(キャリア・社会的地位)を起点とした場合

  • 2ハウス(10ハウスから見た5ハウス)→ キャリアによる収入や副収入の可能性
  • 4ハウス(10ハウスから見た7ハウス)→ 社会的な立場から見た対人関係や評判
  • 6ハウス(10ハウスから見た9ハウス)→ 仕事における教育・研修や海外との関係

終わりに:応用編 ハウスの解釈

この応用講座では、実践で活用できるハウスの解釈を深め、より具体的なリーディングに役立つ知識を紹介してきました。派生ハウスの考え方やインターセプトなど、ホロスコープを多角的に読み解く方法を学ぶことで、占星術の解釈の幅が広がります。

今後も、実占に役立つハウスの応用的なテーマを追加し、さらに充実した内容を提供していく予定です。ハウスの解釈は奥深く、多角的な視点を持つことで、新たな発見が生まれます。本講座を通じて、より実践的な占星術の理解を深めていただければ幸いです。

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