【基礎】占星術講座3:12星座の区分を深める

「12星座の区分」の応用編では、「サイン単位のアスペクト」を学習します。『毎日の星占い』などに活かせるようになり、占星術の理解を一層深められるでしょう。

占星術の勉強「占星術におけるサイン区分」をイメージしたイラスト

サイン単位のアスペクトとは?

サイン単位のアスペクトとは、天体の正確な度数ではなく、サイン(星座)の位置関係によってアスペクトを判断する方法です。

例えば、下の図のように、牡羊座にある天体は全て、獅子座の天体と120度、天秤座の天体とは180度の関係にあるとみなします。

占星術の勉強「占星術におけるサインアスペクト」をイメージしたイラスト

歴史的背景:サイン単位のアスペクト

古代占星術におけるアスペクトの考え方

古代の占星術(紀元前)では、現在のような「度数によるアスペクト」ではなく、「サイン単位」でアスペクトが決められていました。つまり、天体の度数は関係なく、同じサイン内にあれば影響を与え合うと考えられていたのです。

例えば、牡羊座の天体は天秤座の天体と必ず180度の関係とみなされ、獅子座の天体とは120度の調和的な関係とされました。これは、現在の「オーブを考慮するアスペクト」とは異なり、サインの性質そのものに焦点を当てたシンプルな判断方法 でした。

西洋占星術とインド占星術の違い

西洋占星術とインド占星術の違いもあります。インド占星術では現在でもサイン単位のアスペクトが使われていますが、西洋占星術では16世紀頃までが主流でした。17世紀以降は、特に近代占星術において、度数を用いたアスペクトが発展し、オーブを考慮したアスペクトの計算が広く用いられるようになりました。

サイン区分とアスペクトの関係

実は、サイン区分とサイン同士のアスペクトには深い関連があります。

3区分(行動パターン)とアスペクト

3区分(行動パターン)が同じサイン同士は凶座相(90度・180度)の関係にあります。

  • 活動宮(牡羊・蟹・天秤・山羊)
  • 不動宮(牡牛・獅子・蠍・水瓶)
  • 柔軟宮(双子・乙女・射手・魚)

イラストでも確認してください。下の図では、活動宮同士のサインが互いに90度や180度を作り合っていることを表しています。

例えば、牡羊座と蟹座は同じ3区分のため、90度の関係です。行動パターンが活動宮で、積極的で変化を好みます。違いは、どのような状況下で積極的に行動するかです。

牡羊座は、火のエレメントのため、情熱を搔き立てられて積極的に行動します。一方で、蟹座は水のエレメントです。感情が揺さぶられて積極的に行動します。同じ「活動宮」でも、牡羊座と蟹座では行動を起こす動機が異なります。

この違いが、90度(スクエア)の関係を生み出します。お互いに「行動すること」自体は共通しているものの、その動機や方向性が異なるため、ぶつかりやすくなります。

同様に、活動宮同士の180度(オポジション)も、お互いが対立する関係になります。例えば、牡羊座と天秤座は180度の関係にあります。牡羊座は自己の意志を重視し、単独で突き進む性質がありますが、天秤座は人との調和を重視し、バランスを取ることにエネルギーを使います。この違いが、互いに強く意識し合いながら、反発しやすい関係を作り出します。

このように、3区分が同じサイン同士は、行動パターンに共通点があるものの、動機やアプローチの違いから対立しやすくなるのです。これが「凶座相」とされる理由のひとつです。

4区分(エレメント)とアスペクト

4区分が同じエレメントの場合は、互いに120度の関係に位置し、協調し合います。4区分もイラストで確認しましょう。

  • 火(牡羊・獅子・射手)
  • 地(牡牛・乙女・山羊)
  • 風(双子・天秤・水瓶)
  • 水(蟹・蠍・魚)

同じエレメント同士は、3区分の行動パターンが異なっていても調和する関係にあります。それは、同じエレメント同士は、基本的な価値観が似ているため、結果として調和しやすいためです。

例えば、同じ火のエレメントでも、牡羊座は瞬発的に動き、獅子座は自信を持って堂々と行動し、射手座は自由を求めながら冒険します。それぞれの行動パターンには違いがありますが、「情熱的で積極的に動く」という共通点があるため、互いのやり方を理解しやすく、結果としてスムーズに協力できるのです。

このように、4区分が同じサイン同士は、それぞれのやり方に違いがあっても、目指す方向性や価値観、考えが一致するため、結果として協調的な関係になりやすいのです。

上記のことから、サイン同士のアスペクトは、アスペクトを計算することなく簡単に導き出すことが可能です。オーブの考慮も要りません。しかし、1点だけ考慮すべき事があります。それが、「アスペクトの矛盾」です。

アスペクトの矛盾

サイン同士のアスペクトとオーブを使用したアスペクトの間には矛盾が生じることがあります。

例えば、一方が牡羊座で他方が蟹座の場合、サイン同士では90度のスクエアを形成します。しかし、牡羊座の1度と蟹座の29度の場合、オーブが2度であれば120度のトラインになります。

サイン同士のアスペクトとオーブを用いたアスペクトのどちらを重視するかは、一貫性を持って判断することが重要です。文献によっては、オーブ付きのアスペクトとサイン同士のアスペクトが一致する場合のみを採用することを提案しています。自身で研究を重ねた上で、どの基準を用いるのかを決め、ブレのない解釈を心がけましょう。

現在の占星術での実践例

続いて、ここまで学んだサイン区分の知識を、実際のホロスコープリーディングに活かす方法を見ていきましょう。

トランジットの月と各星座の運勢

雑誌やテレビでおなじみの「今日の運勢」や、「今月の運勢」の多くは、トランジットの月や太陽と各サインの関係で占われています。サイン区分のアスペクトを理解すると、雑誌やテレビの占いがどのように作られているかが分かります。

例えば月が獅子座にあると、火のサイン(牡羊・射手)は120度の関係で好調な日。逆に不動宮である牡牛・蠍・水瓶は、障害や緊張を表す90度や180度の位置にあり、低調な日。という具合になります。

アスペクトがない天体同士の状態を見る

例えば、個人のホロスコープで、ノーアスペクトの場合。天体同士にアスペクトがなくても、サイン区分を見れば天体同士の関係を判断できます。オーブを使ったアスペクトを使わずに、サインのみで判断することができるのです。

サイン区分を使った相性占い

個人のホロスコープをサインだけで占うだけでなく、二つのホロスコープを使って簡単に相性を占うこともできます。例えば、次のような相性判断ができます。

良い相性(120度の関係)

「Aさんの太陽が牡牛座、Bさんの太陽が乙女座なら、地のエレメント同士の120度の関係で、価値観が合いやすく、安心感のある関係になる。」と判断できます。

注意が必要な相性(90度・180度の関係)

「Aさんの太陽が蟹座、Bさんの太陽が天秤座の場合、90度の関係で、Aさんは感情重視、Bさんは論理重視となり、意見がぶつかりやすい。」

相性は恋愛だけでなく、仕事や家族間の相性など、シチュエーション別に活用することも可能です。

【基礎】占星術講座3:12星座の区分を深める:まとめ

ここまで、サイン区分がアスペクトとどのように関係するのかを学んできました。 サインのエレメントや行動パターンを理解することで、ホロスコープの読み解き方がより深まるでしょう。

この知識は、毎日の星占いだけでなく、ホロスコープの分析や、相性占いにも役立ちます。サインの区分を見ることで、天体同士の関係をより直感的に把握できるようになりますので、実際のリーディングに積極的に活用してみてください。

次の講座では、「占星術の10天体」について、入門編で学んだ知識を踏まえながら、さらに理解を深めていきます。 ホロスコープをより的確に読み解くための知識を身につけていきましょう。ぜひ続けて受講してください。