【基礎】占星術講座7:ホロスコープの感受点2

【基礎】占星術講座7では、ホロスコープの感受点について、より深く掘り下げて学習します。【入門】講座7では、感受点の基本やASC・MCなどの重要な軸について解説しましたが、【基礎】では、より実践的な観点から感受点の影響を考察します。

占星術の感受点の勉強をイメージしたイラスト

当講座では、以下の項目を取り上げて学習します。【入門】講座で学んだ知識を活かしながら、ホロスコープの解読技術をさらに磨いていきましょう。

上昇星について

上昇星とは、アセンダント(ASC)付近に位置する天体を指します。一般的に、ASCの前後5度以内にある天体が「上昇星」とされ、個人の外見、第一印象、雰囲気に強い影響を与えると考えられています。

アセンダント(ASC)のサインも個人の外見や第一印象、雰囲気を表しますが、上昇星がある場合、上昇星の影響が加わり、ASCサインの性質が強調されたり変化したりします。特に、上昇星のサインがASCのサインと異なる場合、印象が混ざり合い、個性的な雰囲気を持つこともあります。 また、上昇星の天体やサインによって、影響の現れ方が異なります。

ホロスコープ

上記のホロスコープの場合、ASCに最も近いのが土星です。通常上昇星は、ASCの前後5度前後とされていますが、このホロスコープの場合は、ASCからの距離が10度とやや広いため、どの程度重視するかは占術者の判断によります。

上昇星がもたらす影響

上記のホロスコープでは、ASCサインが魚座のため、この人物は柔らかい雰囲気をもちます。しかし、土星の上昇で、次のような特徴が強調される傾向があります:

  • 慎重で落ち着いた第一印象
  • 責任感が強く、真面目な雰囲気
  • 年齢より大人びて見られる

ただし、ASCからの距離が10度とやや広いため、上昇星の影響は弱いかもしれません。例えば、このホロスコープの持ち主が初対面で「落ち着いた人」「責任感がありそうな人」と見られることが多いなら、土星の上昇星としての影響が強く表れていると考えられます。逆に、第一印象が「ふわっとした雰囲気で、柔らかく優しく見える」といったものであれば、土星の影響は弱い可能性があります。

上昇星が与える影響例

上昇星が与える「外見、第一印象、雰囲気」の影響例を以下に紹介します。ホロスコープの解読時の参考にしてください。

  • ☉ 太陽 → 自信に満ちた存在感、リーダーシップ
  • ☽ 月 → 敏感、感受性が強い
  • ☿ 水星 → 知的で話し上手、フットワークが軽い
  • ♀ 金星 → 優雅で魅力的、社交的な雰囲気
  • ♂ 火星 →エネルギッシュで行動的、直感的
  • ♃ 木星 → 穏やかで、気さく
  • ♄ 土星 → 厳格で、真面目
  • ♅ 天王星 → 独特な、個性的な
  • ♆ 海王星 → 芸術家的、繊細
  • ♇ 冥王星 → カリスマ的、冷静沈着で無感情に見える

カルミネートする天体

カルミネートする天体は、その人の天職や社会的な役割を示します。カルミネートする天体を特定する際は、以下のポイントを確認します:

  • 🔹 MCに最も近い天体を探す(オーブは気にせず、単純に距離で判断)
  • 🔹 MCの前後10度以内にある天体は特に影響が強い
  • 🔹 MC付近に天体がない場合 → MCに最も近い天体を探す

上昇星(ASC付近の天体)とは異なり、カルミネートする天体はオーブ(度数の範囲)を厳密に考えません。MCに最も近い天体を優先的にチェックしましょう。

水星のカルミネート

例えば、上のホロスコープの場合、MCに最も近いのが水星です。

水星の「その人の天職や社会的な役割」は、『言葉、情報、知識を活かす仕事』を示しています。具体的には、ライター、講師、ジャーナリストなどが考えられるでしょう。

カルミネート天体が示す社会的役割例

カルミネート天体が示す社会的役割の例を以下に紹介します。ホロスコープの解読時の参考にしてください。

  • ☉ 太陽 → 目立つポジション、リーダーシップ、自己表現
  • ☽ 月 → 公的な場での人との関わりが重要
  • ☿ 水星 → 言葉、情報、知識を活かす仕事
  • ♀ 金星 → 美や芸術に関連
  • ♂ 火星 → 行動力や競争が求められる職業
  • ♃ 木星 → 教育・法律・宗教・海外との関わり
  • ♄ 土星 → 責任感のある職業
  • ♅ 天王星 → 特殊な才能や専門技術
  • ♆ 海王星 → 流行に敏感な仕事
  • ♇ 冥王星 → 深い洞察力が必要な職業

統計学的根拠

ASC(アセンダント)、DEC(デセンダント)、MC(天頂点)、IC(天底点)の重要性は、統計学的にも検証されています。

1950年代から1980年代にかけて、フランスの心理学者ミシェル・ゴークラン博士は、4万人以上のホロスコープを調査し、特定の天体がASCやMCの近くに位置することと職業傾向の関連性を示しました。

特に有名な研究結果に「火星効果(Mars Effect)」があります。博士の統計によると、トップアスリートには火星がASCやMC付近にあるケースが統計的に有意に多かったとされています。火星は行動力や競争心を象徴するため、アスリートの成功に影響している可能性があると考えられました。

しかし、この研究は20世紀中盤のデータに基づいているため、現代社会にそのまま適用できるかは議論の余地があります。また、後の研究ではゴークランのデータを完全に再現できなかったという指摘もありますが、アングル付近の天体が影響を与える可能性は今でも占星術の重要なテーマの一つです。

講座の終わりにあたって

ここまで、ホロスコープにおける重要なポイントとして上昇星やカルミネートする天体、統計学的根拠について学んできました。これらの要素は、ホロスコープを深く読み解く上で欠かせないものであり、個人の性格や人生の方向性を示す重要な手がかりとなります。

続けて、「【基本編8】12のハウスの本質と実践的理解」へ進んでください。

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「ホロスコープの感受点」には、【応用編】もありますが、全て実践で使われるテーマを扱っています。【基礎編】を終えた後、学習してください。