【基礎】占星術講座9:ホロスコープの解読を深めるII

この講座では、ホロスコープ解読の基礎をさらに深め、パーソナル天体(水星・金星・火星)の読み解き方と、外天体の解読ポイントを学習します。

ホロスコープを正確に解読するためには、まず土台となる基本の流れを理解することが重要です。まだ「【基礎】占星術講座9:ホロスコープの解読を深めるI」を履修していない方は、先にそちらを学習することで、よりスムーズに理解を深めることができます。

占星術のホロスコープの解読の手順をイメージしたイラスト

パーソナル天体の解読:水星・金星・火星

パーソナル天体(水星・金星・火星)は、個人の性格や行動パターンに大きな影響を与える重要な天体です。本講座では、次のような形式で学習を進めます。

例文:

この人物は『(サイン)』のような「(天体)」を持ち、その傾向はアスペクトの『(アスペクト)』で表されます。そしてこのような「(天体)」が発揮される具体的な事柄は『(ハウス)』です。

この『( )』の部分に、自分で考えた言葉を入れて、解読を試みましょう。その後、解答例を確認しながら、理解を深めていきます。

各天体について、実際の解読を次のホロスコープを元に、学んでいきましょう。

ホロスコープ ホロスコープから書き出したアスペクトの一覧

水星の知性を読み解く

水星は「知性」「思考パターン」「コミュニケーションの仕方」を表します。サイン・アスペクト・ハウスの観点から、水星の性質を解読してみましょう。

① 穴埋めに挑戦

この人物は『双子座』のような「水星」を持ち、その傾向はアスペクトの『木星のトライン』で表されます。そしてこのような「水星」が発揮される具体的な事柄は『4ハウス』です。

② 回答例

この人物は『好奇心旺盛で、柔軟で、切り替えが速い』のような「知性」を持ち、その傾向はアスペクトの『スムーズに拡大する』で表されます。そして、このような「思考パターン」や「コミュニケーションの仕方」が発揮される具体的な事柄は『家庭』です。

③ まとめ

上記の文を元に、さらにイメージした水星が表す「知性」「思考パターン」「コミュニケーションの仕方」が次のようになります。

この人物は、好奇心が強く、新しいことをどんどん吸収し、状況に応じて柔軟に考えを切り替えることができるタイプです。軽快なコミュニケーションが特徴で、その影響は自然に広がっていくでしょう。このような知性やコミュニケーション能力は、特に家庭の中で発揮されます。たとえば、家族とよく会話をしたり、家庭内で新しい情報を共有したりすることが得意なタイプかもしれません。

金星から愛情を読み解く

金星は「愛情」「美的センス」「社交性」を表します。上記の水星の学習のように、金星の性質も解読してみましょう。

① 穴埋めに挑戦

この人物は『獅子座』のような『金星』を持ち、その傾向はアスペクトの『冥王星のスクエア』で表されます。そしてこのような『金星』が発揮される具体的な事柄は『7ハウス』です。(※火星とはオーブが6度以上あるため省きます)

② 回答例

この人物は『自信のある、華やかな、情熱的』のような『金星』を持ち、その傾向はアスペクトの『極端さが困難な状況になる』で表されます。そしてこのような『金星』が発揮される具体的な事柄は『一対一の対人関係』です。

③ まとめ

上記の文を元にさらにイメージし、金星が表す「愛情」「美的センス」「社交性」が次のようになります。

この人物は、自信に満ち、華やかで情熱的な愛情表現をするタイプです。人との関わりにおいても、堂々とした振る舞いや魅力的な雰囲気を持ち、強い愛着を示すことが多いでしょう。

しかし、冥王星のスクエアの影響により、愛情表現が極端になりやすく、関係が深まるほど困難な状況を招くことがあるかもしれません。恋愛や対人関係では、支配的になったり、自己中心的になる傾向があるでしょう。

このような愛情のスタイルは、特に一対一の対人関係において顕著に表れます。パートナーシップにおいては、熱意をもって関係を築く一方で、相手との距離感やバランスを意識することが大切になりそうです。

補足

この人物の金星には、冥王星のハードアスペクトが影響を与えています。

まず、獅子座の金星は「自信に満ち、華やかで、愛情表現が情熱的」という良い特徴を持ちます。人を惹きつける魅力があり、恋愛や対人関係においては堂々とした態度で愛を示すでしょう。

しかし、冥王星のハードアスペクトが加わることで、愛情表現に極端な傾向が出やすくなります。相手に対して強く執着したり、コントロールしようとする心理が働くこともあるかもしれません。

そのため、獅子座の金星の「誇り高く堂々とした愛」が、時に「相手を圧倒するような強引さ」や「独占欲の強さ」として表れる可能性があります。恋愛やパートナーシップにおいては、自分の感情の強さと相手の気持ちのバランスを意識することが大切になりそうです。

なお、この解読や解読の順序はあくまで一例です。ホロスコープの読み解き方にはさまざまなアプローチがあり、天体やアスペクトの影響をどのように解釈するかは、占星術師や学習者の視点によって異なることもあります。異なる視点を取り入れながら、柔軟に解読を進めてみてください。

火星の行動力を読み解く

火星の行動力は、何かを得たい、獲得したいと思ったときに起こす行動の仕方を示します。

① 穴埋めに挑戦

この人物は『双子座』のような「火星」を持ち、その傾向はアスペクトの『月の合』で表されます。そしてこのような「火星」が発揮される具体的な事柄は『3ハウス』です。

② 回答例

この人物は『機転を効かせた、融通のある、知的に』のような「火星」を持ち、その傾向はアスペクトの『感情が強調される。敏感、感情的』で表されます。そしてこのような「火星」が発揮される具体的な事柄は『周囲とのコミュニケーション』です。

③ まとめ

上記の文を元にさらにイメージし、火星が表す「何かを得たいと思ったときに起こす行動の仕方」は次のようになります。

この人物は、知的で柔軟な行動力を持ち、何かを得たいと思ったときには、素早く情報を集め、巧みに言葉を使って状況を動かそうとするタイプです。状況に応じて臨機応変に対応し、機転を利かせたアプローチが得意でしょう。

また、火星には月との合(コンジャンクション)があるため、行動には感情が強く結びつきます。思ったことをすぐに言葉にしたり、気分によって行動の仕方が変わったりすることもあるかもしれません。感情の動きがエネルギー源となるため、直感的な決断や熱意のこもったコミュニケーションが特徴となるでしょう。

このような行動力は特に「3ハウス」に関連する場面で発揮されます。例えば、身近な人との会話や情報交換などで、知識を駆使してスピーディーに行動することが得意かもしれません。積極的に意見を交わしながら、周囲を巻き込んで動くことで、自分の望む結果を得るスタイルといえるでしょう。

補足

このホロスコープは大リーガーの大谷翔平選手のものです。試合で「勝ちたい」と思ったときの行動に焦点をあてると、次のように具体的に解釈できます。

双子座の火星は、素早い思考と機転を活かした行動が特徴です。試合中も状況を的確に判断し、相手の出方を見極めながら臨機応変に対応できるでしょう。バッターボックスではピッチャーの球種や配球を瞬時に分析し、柔軟に対応することが得意です。

火星と月の合は、感情が行動に直接つながる配置です。「負けたくない」「やってやる」という感情が高まると、そのエネルギーが即座にプレーに反映されるでしょう。熱くなりすぎるとミスにつながることもありますが、彼の場合は感情を前向きな集中力へと変える力があるはずです。

3ハウスの火星はチームのモチベーションを高める力として働きます。 言葉やジェスチャーで仲間を鼓舞したり、瞬時に情報を伝え、チームの連携を強化するなど、「勝利へ導くための行動力がチームメイトとのコミュニケーション」に現れます。

月と火星の合:補足

火星と月の合は「感情が直接行動に結びつく」配置なので、怒りや衝動的な行動につながることが多いです。一般的には、感情のコントロールが課題になりやすく、人間関係でトラブルを引き起こすこともあります。

ただ、アスリートにとっては「感情を行動のエネルギーに変える」という点で、とても有利なアスペクトなのかもしれません。試合中に「負けたくない!」「やってやる!」という感情が高まることで、瞬時の爆発的なパフォーマンスにつながるとも言えます。

火星と月の合は、熱くなりすぎるとミスにつながることもありますが、彼の場合は感情を前向きな集中力へと変える力があるはずです。

特に大谷選手の場合、双子座の火星なので、感情が高まったときも「頭を使って冷静に判断しながら」プレーできるのが強みになっているのかもしれません。感情の勢いだけで突っ走るのではなく、「素早い判断+感情のエネルギー」のバランスが取れているからこそ、プレッシャーのかかる場面で力を発揮できるのかもしれません。

外天体が入るハウスの解読ポイント

続いて、外天体が入るハウスの解読ポイントを紹介します。外天体は、時代や社会、集団を象徴します。個人はこれらの時代や社会、集団を背景に育ち、次第に内面に各天体が象徴する事柄を内包するようになり、ホロスコープ中のハウス位置で、以下に示す事柄を表します。

外天体が暗示する事柄

  • 木星がいるハウス:発展と拡大する事柄
  • 土星がいるハウス:努力や忍耐が必要な事柄
  • 天王星がいるハウス:自由・革新を求める事柄
  • 海王星がいるハウス:夢や理想・芸術性をもつ事柄
  • 冥王星がいるハウス:変容(大きな変化)する事柄

木星について例を挙げると、木星のいるハウスは「発展と拡大する事柄」を表します。そして木星のサインはどのように発展・拡大するのか示し、アスペクトはその傾向を暗示します。

木星が8ハウスにある場合

木星が8ハウスにある場合、「共有する資産」に関することが発展・拡大しやすい傾向を持ちます。たとえば、財産や遺産、投資、他者との経済的なつながりが広がる可能性があります。また、精神的な探求や神秘的な分野への関心が強まり、深い洞察力を発揮することもあるでしょう。

さらに、木星のサインによって、どのようにこの8ハウスのテーマが広がるのかが異なります。たとえば、木星が水のサイン(蟹座・蠍座・魚座)にある場合、感情的なつながりや直感を通じて発展しやすく、火のサイン(牡羊座・獅子座・射手座)にある場合は、情熱的でダイナミックな形で展開するかもしれません。

自分で考えてみましょう

他の外天体(土星・天王星・海王星・冥王星)についても、同じ流れで考えてみましょう。

  • ハウスのテーマ → どの分野で影響が現れるか?
  • サインの特徴 → どのような形で影響が広がるのか?
  • アスペクト → どんな傾向が強まるのか?

終わりに:ホロスコープの解読の次のステップへ

ホロスコープの解読は非常に奥が深く、ここで挙げた解読手順は一例にすぎません。多くの要素が複雑に絡み合うため、独自の視点や経験も大切です。慣れないうちは一つずつ確認していき、経験を積んでいくことで、より的確な解読ができるようになるでしょう。

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