【基礎】占星術講座6:ホロスコープの作成方法2
【入門】のホロスコープの作成方法では、Webサイトでホロスコープを作成する方法を説明しました。【基礎】では、さらにホロスコープの作成について説明を進めていきます。

この講座では、次の項目を学習します:
出生時刻が不明な場合の注意点
【入門】では、出生時刻が不明な場合、ホロスコープを作成する際に12:00を仮の時刻として設定する方法を説明しました。これは、日の中央を基準にすることで、天体の位置をできるだけ正確に推測するためです。
ただし、この方法ではいくつかの制限があるため、以下の点に注意してホロスコープを読み解く必要があります。
月の位置は最大7度の誤差が生じる
月は1日で約14度移動します。そのため、12:00を基準とすると、実際の出生時刻によっては最大7度のズレが生じる可能性があります。
このため、作成したホロスコープの月の位置に対し、±7度の範囲で確認し、サインが変わるかどうかをチェックしましょう。もしサインが異なる可能性がある場合、月を用いた占いの精度が下がるため、慎重に判断する必要があります。
太陽や他の天体の誤差
太陽は1日で約1度移動するため、0度付近やサインの境界にある場合、実際の出生時刻によってはサインが異なる可能性があります。同様に、他の天体もサインのカスプ(境界)に近い場合は、一日の移動量を考慮し、サインの変化がないか確認しましょう。
ASC・MCは利用不可
ASC(アセンダント)とMC(ミディアム・コエリ)は、1日で360度移動します。1サインを約2時間で通過するため、正確な出生時刻がわからない場合は、これらのポイントを特定することができません。
ホロスコープ上には表示されることがありますが、実際の位置は不確かであるため、リーディングには使用しないようにしましょう。
ハウスの判断も不可
ハウスの配置はASC・MCに依存しているため、出生時刻が不明な場合は正確に判断することができません。そのため、一般的なホロスコープリーディングではハウスを使用しないのが原則です。
ただし、一部の書籍では「ソーラーサイン方式」という方法が紹介されています。これは、太陽を1ハウスに置いて占う方法で、ASCやMCを考慮しないリーディングを行うものです。
ホロスコープを作成するソフト
ホロスコープを作成してくれるソフトを紹介します。
「Stargazer」は多機能で、四季図、月相、ソーラー・ルナーリターン、時期表、プログレス、トランジット、イングレス、逆行、順行、ボイドタイムなどを瞬時に画面とファイルに出力してくれます。
ソフトのバージョンについては、この書籍のサイトにメンテナンス情報がありますので、更新できます。対応しているOSですが、私が購入した当初はWindowsXPでしたが、現在Windows11・64bit上で利用しています。チャート作成や時期表出力などほとんどの機能は問題なく動いています。天文歴は3003年まで対応してます。
Stargazerはソフトだけでなく、本の情報量も豊富で、基本的な事柄からマンデン、アラビックパートなど多数の占星術で使われる事柄を扱っています。
Stargazerの再インストールについて
PCを買い替えたとき再度CDからインストールしなくてもフォルダごとコピーすればそのまま使えます。フォルダ名は「sgwd・・・」という名前です。
Stargazerを利用するにあたっての注意点
- フォントは、著作権で保護されています。
- 占術のためにソフトを使って出力物を個人に差し上げるのは許諾していますが、ホロスコープやその他、出力物を不特定多数の人に配布することは、 作者の許諾が必要です。
- チャートをインターネット上に掲載することも、不特定多数の人に配布するのと同じ行為になります。出力物をWeb上へ掲載する場合、筆者への許諾が必要です。
無断でWeb上に出力物を掲載するサイトを多々見受けます。著作権の侵害行為となります。書籍の後方のページに説明がありますので一読してください。著作権は守りましょう。
ホロスコープを手作業で作る場合
ホロスコープを手作業で1から作る場合に必要なものを紹介します。
ホロスコープの作成に必要なもの
天文歴・室項表・恒星時表・時差表(・その場所の緯度経度・出生時間)
ホロスコープ作りに必要なのが、天文歴ですが、日本でもいろいろなタイプの天文歴が販売されています。天文歴に掲載されている天体の位置情報は同じものですが、どの時間を基準に作られているのかが異なります。世界標準時なのか日本標準時なのかなど。また、天体の位置情報以外に、月相や天体の合の情報など付加情報がいろいろ掲載された天文歴もあります。
また、位置の表記が異なる場合があります。天文歴はほとんど60進法で度分で表されますが、ホロスコープ作成サービスで出力されるのは、10進法の事があります。例えば、牡羊座10.97となっていれば、60進法にすると、10度58分12秒になります。
天文歴の次に必要なのが、室項表です。生れた場所と時間から、Asc(アセンダント)とMc(ミディウム・コエリ)を計算して求めるために必要になります。天文歴には通常、室項表・恒星時表・時差表も掲載されています。
ホロスコープの作成が書かれた本
ホロスコープの作成には細かい計算と順番があります。ここでは、ホロスコープの作成方法について書かれている本を紹介します。
占星学実践講座
私が持っている本は1987年出版の『新実践占星学』(定価6000円)ですが、「占星学実践講座」と内容は同じです。日本で生まれた場合とアメリカで生まれた場合のホロスコープの作成方法が例題にあります。「時間についての基礎知識」という説明があって理解が深まります。天文歴は別途購入する必要があります。
占星学
ラファエル天文暦を使って東京生まれを例にホロスコープの作成を説明しています。見やすいので理解もしやすいです。2010年までの天文歴やその他必要なものは一通りありますが、天文歴は簡略化されたものなので、別途購入した方がよいと思います。
天文暦
『完全版 日本占星天文暦1900-2010』は、1900年から2010年の日本標準時の天文歴です。各ページの構成(情報)は下記の21世紀占星天文暦と同じですが、巻末にボリュームある付録がついています。日本生まれと外国生まれの場合の出生図の作成方法、日本標準時のプラシーダス式室項表(日本の主な6都市)、コッホ式室項表、世界主要都市の経度緯度表(明石との時間差)です。
『21世紀占星天文暦―2001~2050A.D.』は、日本標準時の天文歴で2001年から2050年まで掲載されています。月は午前0時と正午の情報、それ以外は毎日午前0時の位置情報があります。逆行している天体は網掛けになっています。基本10天体以外に、月のノードとキロンの毎月1日の位置情報、月のイングレスとイングレス前の最後のアスペクト(ボイドタイムが分かります)、その他の天体のイングレスタイム、順行と逆行の時間、月の位相の時間と位置、(日蝕と月蝕があれば記載)月ごとに掲載されています。付録はありません。
終わりに:占星術講座6ホロスコープの作成
ここまで基礎講座6のホロスコープの作成について、ソフトの紹介や、手作業で作るために必要なものについて紹介してきました。
【応用】のホロスコープの作成では、ハウス分割法の種類について紹介しています。出生時間が不明な場合に、どのハウス分割法が適しているのか学習できます。
次の講座「【基礎編】7ホロスコープの感受点2」へ進むか、「【応用編】6のホロスコープの作成」でさらに知識を深めてください。