【基礎】占星術講座5:占星術のアスペクト2
入門講座では、アスペクトの基本として、その分類や記号を学びました。本講座【基礎編】では、それらを踏まえ、アスペクトをより深く理解し、ホロスコープの読み解きに役立てるための知識を学んでいきます。アスペクトの影響を正しく捉えられるように、一緒に学習を進めていきましょう。

この講座は、入門講座でアスペクトの種類や記号を学んだ方を対象とし、次の項目を学習します:
アスペクトの調べ方
アスペクトを調べるには、手動で計算するよりもオンラインの無料作成ツールや、ホロスコープ作成ソフトを利用した方が手っ取り早いです。次の講座の「ホロスコープの作成方法」で無料のオンラインツールと使い方を紹介していますので参考にしてください。
アスペクトのオーブの決め方
アスペクト(座相)にはオーブという考え方があります。例えば、太陽と月の位置がピッタリ120度になるまで、あと1度ある場合。あと1度くらいなら120度のアスペクトと考えましょう。というのがオーブ(許容範囲)です。
しかし、あと1度なら120度になるとして、あと1.2度だったら?3度はだめなのか?と、疑問が湧いてきます。実はオーブに関しては明確なルールはありません。
オーブの基本的な考え方
オーブの考え方として、いろいろ文献を読みましたが、次のような傾向にあることは分かっています。
- 天体によってオーブを決める
- アスペクトの種類によってオーブを決める
- 接近か分離かによってオーブを決める
- ネイタル、トランジット、プログレスによってオーブを決める
アスペクトを作る天体によってオーブを決める
太陽と月は占星術で重要な天体のため、この2天体についてはオーブを広くとる占星術家が多いです。例えば15度などかなり幅広いオーブを見積もっています。概ね太陽と月は8度から10度くらいのオーブが使われています。
アスペクトの種類によってオーブを決める
最も強い影響のあるアスペクトはコンジャンクションやオポジションです。この2つのオーブは10度、影響の弱いセクスタイルは6度などと、アスペクトの種類によってオーブを決めます。
天体同士が接近か分離かによってオーブを決める
時間を未来に進めていって、アスペクトのオーブが縮まっていく場合を接近、オーブが開いていく場合を分離といいます。
この、2つの天体が接近にあるのか分離にあるのかで、オーブを決めようとするものです。通常、接近の方が影響が強いため、オーブの幅を広く設定します。
ネイタル、トランジット、プログレスによってオーブを決める
ネイタル(出生図)とトランジットやプログレスでは、オーブの考え方が異なるという考えがあります。
ネイタルのアスペクトは一生変わりませんが、トランジットは現在の天空を移動する天体の配置であり、刻一刻と変化します。そのため、ネイタルとトランジット、プログレスでは、オーブの設定を変えることが一般的です。
プログレスでは、オーブを一律1度とするのが主流です。一方、トランジットでは天体の種類によってオーブを設定することが多く、特に外天体のオーブを内天体よりも狭く(タイトに)設定する傾向があります。
結局オーブはどうしたらよいか
メジャーアスペクトはオーブ8度でマイナーアスペクトはオーブ3度など、占う人によってさまざまです。言えることはオーブを全て一律で6度にするという考え方はないということです。ある程度経験して、ちょうどよいところを自分なりに探していくしかありません。
アスペクトも奥の深い項目です。最初に述べたように、まずはさらりと全体を勉強し、再度この項目について深く勉強していきましょう。
ホロスコープにアスペクトがないとき
アスペクトのオーブを例えば3度など、タイトに設定すると、アスペクトを1つも作らない天体がでてきます。
ノーアスペクトの天体に、どのような意味があるかというと、一説ではその天体が意味することが発揮されにくかったり、不活発だと言われています。例えば金星がノーアスペクトだと恋愛経験が少ないなどです。
逆に、どの天体からも制御されていないためどの方向にその天体のエネルギーが向かうのか、不安定だという説もあります。多くの文献を読んだ中では、後者の不安定説の方が多かったです。
ただ、オーブをどのくらいとるかによって変わってくるので、どの状態をノーアスペクトというのかが問題です。また、サイン同士でアスペクトを見ればノーアスペクトになる天体は少なくなります。
『複合アスペクト』とは?
複合アスペクトとは3つ以上の天体がアスペクトを作りあっている状態をいいます。例えば次のようなものがあります。
グランドトライン:3つの天体が120度を作りあっている。
グランドクロス:2つのオポジションがクロスして形成される。4つの天体がかかわっています。
T字クロス:1つのオポジションに90度が加わってT字に形成される。3つの天体がかかわっています。
ヨードまたは調停:60度を作りあう2つの天体に150度のアスペクトを作る天体があり全体でYの字を作っている場合。
複合アスペクトの意味は単純ではない
複合アスペクトの解釈は、一筋縄ではいきません。例えば、「グランドトライン」は3つのトラインを含むため、一般的には「幸運のアスペクト」と考えられることがあります。しかし、このアスペクトがもたらす影響は、個人の人生観や向き合い方によって大きく異なります。つまり、「グランドトライン」があるからといって、その人が楽な人生を送れるとは限りません。アスペクトは宿命や運命を決定するものではなく、あくまで特定の傾向を示唆するものなのです。
終わりに:【基礎】占星術講座5:占星術のアスペクト
ここまでで、アスペクトのオーブの考え方や、複合アスペクトについて学んできました。2つの天体間のアスペクトを理解することは比較的シンプルですが、そこにサインの性質が加わると、解釈に悩むこともあるでしょう。
アスペクトをより深く理解するためには、まずは個々の天体の意味をしっかり押さえた上で、実際のホロスコープを読み解きながら経験を積むことが大切です。また、同じアスペクトでもサインやハウスによってニュアンスが変わるため、総合的な視点を持つことが重要になります。
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